関東近辺の自転車レースまとめ
ロードバイクを買うときに、ロングライド系のモデルではなく、エアロ系を選んだのは、やはりレースに出たかったからです。
上の記事にも書いていますが、ロードバイクを使って他人と競い合ってみたい。
高みを目指してみたいし、いつかは表彰台にも立ってみたい。
そんな思いで始めたロードバイクですから、買ってから1年で6回ほどレースに参加しました。
ここらへんで、今までのレースで出たことのあるもの、出たいと思っているものでまとめてみました。
レース形式は「エンデューロ」「ヒルクライム」「クリテリウム」の3つでまとめます。
弱虫ペダルとかで出てくるインハイのような「ロードレース」は、広くアマチュアが出られるものがないんですよね…出てみたいのに。
エンデューロ
エンデューロの特徴
エンデューロレースは、だいたい2時間以上、一周数kmの周回コースを決められた時間に何回回れるかの競争になります。
しかしこのレース、トップ集団にいるかどうかで性質が大きく変わるイベントだと思っています。
自分も含め殆どの人にとっては、マラソンのような要素があります。
要は、2時間の中でどれだけ頑張れるか。
戦略としては、いかに体力を使わないように集団を形成、集団に入れてもらえるかがとても大事です。
レースの序盤は大きな集団が形成されていることが多いのですが、中盤以降は集団が小さくなり、自分にちょうどいい集団がなくなることもしばしばあります。
そういったときに、自分と走力が近い人を探して「一緒にローテーションしませんか」とコミュニケーションすることもとても大事な戦略だと思います。
一方、トップ集団にとっては全く別の競技になるようです。
要は、ガマン大会。
最後の15分ぐらいまで集団にいかに体力消耗を抑えて残り、スパートに力を残すか。
最後の1~2ぐらいになると彼らは信じられないぐらいペースが上がりますが、逆にそれまでは信じられないぐらい抑えて走っているそうです。
俺らからするとそれでもびっくりするほど早い人たちなんですが、そんな中でじわじわと削られる体力と精神力との勝負、っぽいです。
俺は3つあるレース形式の中で一番エンデューロに出てます。
交代で走るチーム戦も多いので、チームの人と楽しく出られるというのが大きいのかな。
これまでに出たことあるレース
もてぎエンデューロ
今までに唯一2回参加しているレースになります。
栃木県茂木町にある、ツインリンクもてぎでのエンデューロレース。
毎年ゴールデンウィークと11月(文化の日あたり)の2回開催されます。
ツインリンクもてぎは鈴鹿、富士に次ぐ、日本でおそらく3番目に格が高いサーキットだと思います。
F1は開催されないですが、バイクのMotoGPなんかで有名で、日本グランプリも開催されます。
ツインリンクの名の通り、世界で有数のオーバルサーキットとノーマルサーキットの両方を有するサーキットで、ロードバイクはノーマルサーキット逆回りになります。
年々参加者が増えている人気のレースで、4000人近い参加者がいるんじゃないでしょうか。
この人数で周回コースというのは非常に混雑するように思いますが、さすがはサーキット。
道幅が20m程度ととんでもなく広いため、集団に入らなければかなり周りの人とは距離をもって安全に走れます。
そしてサーキットならではなのが、路面のフラットさ!
アスファルトですが、僅かな段差も感じないため、スピードが非常に乗りやすいです。
時々一般道でも、トンネルの中などで滑らかなコンクリート状を走ってスピードが乗る経験をしますが、全編そんな感じでスムーズに自転車を走らせることができます。
それでいて、路面は水はけのよいアスファルトなので非常にグリップがいい。
スピードが乗った状態で「危なくなりそう…」ってとこまで自転車を倒しても、全くスリップする気配を感じません。
自分のバイクコントロールがうまくなったような気持ちよさを感じさせてくれます。
エントリーは2,4,7時間ソロ加えて、4,7時間チームがあります。
一番のボリュームゾーンは自分がいつも出ている4時間ソロだと思います。
強豪が結構集まる大会なんで、とてもじゃないですけど先頭集団にはついていけません。
チームで出ても結構楽しいと思います。
ただ、2時間ソロは結構大変かと思います。
4時間ソロが終わって、7時間の人たちが走り続ける中、最後の2時間を一緒に走ることになるんですが、人数も少ないため集団ができにくい。
そのため、速度も乗りにくいですし、ちょっと寂しい感じがします。
一方7時間ソロは出てみたい気もしますが、ちょっと途中で飽きそう…
全体的には、人数も多くて楽しげでいいと思います。
場所は少し不便で、電車で行こうとすると「関東鉄道」とかいうローカル線に乗る必要が出てきます。ですので、マイカーない場合でもレンタカーがおすすめ。
コースは非常に走りやすく、走りやすい季節に開催されるため、定期健康診断、という形で使っていこうかと思っています。
富士チャレンジ200
人生初レースはこれでした。
こちらはF1も開催される、富士スピードウェイでのレース。
昨年に休刊になった雑誌を発行していたファンライドが主催で、毎年9月に開催されます。
これもなかなか参加人数が多く、2000人以上。
競技が少し変わっていて、普通のエンデューロは時間当たりの距離を競いますが、富士チャレの場合はソロは100kmと200kmのどちらかを完走する時間で競います。ときどき300kmもあるっぽい?
200kmだと富士スピードウェイを44周し、制限時間7時間で完走率が60%未満…
200kmはなかなか過酷なレースです。
ちなみにチームエントリーだと、4時間または7時間。
俺もロードバイクを買って2か月で4時間ペアに参加しましたが、交代ありなら普通に走れますね。
しかしこのレースの特徴はなんといってもコースでしょう。
なかなか特徴の多い富士スピードウェイですが、まずはその景色の良さ。
富士山が良く見え、走っていて気持ちのいいコースです。
もちろん路面状況も良いです。
もてぎには劣りますが、こちらも滑らかなアスファルトコース。
そして、その路面で走るのは約1.5kmの超ロングホームストレート。
ここで集団を捕まえられるかどうかで、ラップタイムにだいぶ差がつきます。
そして、かなりアップダウンが激しいのも特徴だと思います。
ホームストレート前は最大8.8%、約1kmの3段坂があります。
この登りが、周回を重ねるごとにきつくなっていく…
そして、先頭集団の登りの速さに苦笑いが止まりません。何もんだやつら。
そしてこれだけ登るおかげで、他のところはほとんど下り。
かなりハイスピードな争いになります。
特に第一コーナー後の下りは、ほとんどの人が60km/h以上で走っています。
てか、普通に勢いがついてしまい、漕がなくてもそんな速度になります。
この前後の落車はどうやら多いらしく、気を抜くと大けがに繋がりかねないので注意ですかね。
今月は100kmソロで参加してきます!
東京エンデューロ
もちろん、レースは立派なサーキットだけではありません。
荒川沿いの戸田の少し奥、埼玉にある彩湖公園で3月に開催される、(埼玉なのに)東京エンデューロは公園周回です。
このエンデューロはソロ枠がなく、4時間チームだけです。エンデューロの前にはTTも開催されていました。
参加者は500チームぐらいだったので、1500人というところですかね。
それなりに人数も多い大会ですが、チームしかないので実際の出走者はそれほどでもありません。
この大会は何がいいかというと、当然立地です。
家から自転車で1時間以内、都心からも車で1時間以内というところでしょうか。
彩湖は駐車場も多いので、都心から近い割には駐車場に困ることもありません。
ソロがないこともあって、チームでワイワイ、という雰囲気が全体的にあり、敷居の低い大会だと思いました。
コースもほとんどフラットです。
河川敷に上がる程度の小さなアップダウンと、小さな橋を渡るアップダウンがあるのみです。
ですが、あまり路面はよくありませんでした。
まず、狭い。
特に狭いところが二か所あって、橋は上り坂に加えてその後のコーナーもあり、全体にペースが落ち、狭くてもそれほど危なくないのですが、もう一か所が危ない。
下り坂の最下点で自転車3台並んで通れないぐらいまで狭くなる箇所があります。ここはスピードも乗っている上に路面も段差が見られ、結構危ないな、と思いながら走ってました。
それから、途中のストレートでは車のスピード抑制のためのバンプが数か所設けられていて、ストレートなのでそれほど危なくはないですが少しストレスが溜まります。
それから何より、レースの敷居が低いためか、基本的なマナーができていない人が参加者に多いのもあります。
速い人と遅い人でレーンが分かれるのが普通ですが、そういうところとかね。
さらに走れる人もイライラしているのか、罵声もあったりする。
敷居も低く参加しやすいですが、サーキットでのレースに比べたら路面状況、全体のマナーとかも含めると一段劣る感じは否めないですね。
近いからいいんですけどね…
3月という、春になる直前ぐらいのシーズン頭感もいいと思います。服装は少し悩みますが。
スーパーサイクルエンデューロ
これは、これまでと違って参加者が100人ぐらいの小さなレースです。
mcプロダクトという会社が主催している、唯一のオンロードレースになります。
http://www.mc-pro.co.jp/road/RaceGide.html
シリーズ戦で年間5回以上のレースが開催されますが、 自分が参加したのは幕張海浜公園でのレース。
普段は下総(成田の方)でやっているんですが、そこが使えないということで幕張で行われ、比較的近所になったので参加しました。
参加したのは1月。
大規模のレースでなく、小規模の方が勝負感が出るだろうと、武者修行のためにいつものチームメンバーとは離れて一人で参加したレースになります。
100人規模名だけあって、あまりお祭り感はないですが、かっちりしすぎていないというか、ゆるめの雰囲気。
でもそれなりに速い人は速い。
全体の分布としては、もてぎエンデューロなんかと大差ない感じだったと思います。
コースは公園なだけあって、狭い90度カーブが多いためストップ&ゴーのダッシュ主体のレースで、自分の割と得意なタイプのところでした。
しかし、1月の寒いシーズンのレースは服装悩みますね。
走っていると結構暖かくなるので、冬用ウェアで汗をかきながら走ってました。
グローブは秋用だったので少し寒かったのですが、後半の昼頃は少し熱いぐらいでしたね。
幕張で開催されることはほとんどないと思うので、そのうち下総の方のレースも参加してみようかな。
あついぞ!熊谷バーニングマン・レース
これは、今年初参加でしたが、去年も仲間を応援するために見に行きました。
真夏の一番暑い時期に、日本で一番暑い熊谷で耐久レースをするという、なんとも頭の悪い企画です。
まあ一言でいえば、ネタレースですな。
前回参加した時に日記にも書いています。
場所は熊谷スポーツ公園、ピットは陸上競技場のトラックに設置されますが、陸上競技場からは出てその外周や公園内に作られたコースを周回します。
参加者は1,000人程度。東京エンデューロぐらいの規模でしょうか。
コースも公園周回のため、彩湖公園を周回する東京エンデューロと似て、非常にフラット。
そして、狭く路面がレース向けでないところも多いことから、危ない箇所もいくつかあります。
しかしこのレース、危ないのはなんといっても暑いところ!
今年は涼しかったので至って快適な環境ではありましたが、本来であれば基本は暑さとの戦いになるようです。
体をどうやって冷やすか、オーバーヒートしないようなペースづくりなど。
今年は全く使っている人はいませんでしたが、会場内にはビニールプールや簡易シャワーなど、体を冷やすのがいくつか置いてあったりします。
結局熱くなれなかったので、来年はリベンジしようかと思っています。
しかし、こんなの出る人は(自分も含め)ちょっとおかしいんじゃないかな、とも思いますけどね(笑)
出てみたいレース
筑波8耐
出たことはないのですが、関東近郊に住んでいる人にとっては最も出やすいレースじゃないでしょうか。
都心から1時間程度で行けるアクセス、安全に走れるサーキットレース、坂のないフラットなコースプロファイル、年3回のイベント。
出やすい条件がこれだけ揃っていますが、なかなか日程が合わず参加できていません。
春夏秋と、毎年3回、チームのみの8時間エンデューロが中心になります。
特に初心者にもってこいのレースじゃないかな。
東京エンデューロなどの公園周回系のレースの方が敷居が低いように感じると思いますが、サーキットの方が道幅も広く、路面も良いため落車のリスクは下がると思います。
8時間と長いので、途中で飽きそうな気もしますが、仲間とワイワイやっていれば楽しいんでしょうか。
参加者も1,500人ぐらいはいそうですし、賑やかな大会なんですかね。
人数にもよりますが、参加費が1万円~1万5千円と少々高いのが難点でしょうか。
8時間と長い時間のレースなので、それだけ参加費用が膨らむのは仕方ないですが、5人参加とかだと一人当たり96分。ちょっと割高です。
しかしやはり、関東に住んでいる自転車乗りとしては、一度は出ておきたい大会です。
チームの人と上位狙えないか、時々話に出ます(笑)
犬吠埼エンデューロ
こちらも出てみたいエンデューロ。
このレースの一番の魅力は、公道封鎖型というところです!
自転車のレースって、距離が長いからか市民権を得ていないのかわかりませんが、マラソンと違って公道のレースって本当に少ないんですよね。
「弱虫ペダル」なんかで読んだ大会とかは公道封鎖の江の島から富士山まで、とかやってましたが、あんな距離封鎖なんてありえませんから。
知っている限りでは「ツールドおきなわ」がありますが、市民レース最高峰と言われるレベルの高さで、トップクラスの210kmは日本のアマチュア最高峰が集まるにもかかわらず完走率30%という、恐ろしいサバイバルレース。
その下のクラスでもいいから、「一度は出てみたい」と思っているレースになります。
それを除けば、関東ではこの犬吠埼エンデューロが唯一の公道型レースです。
しかも、太平洋沿いの景色の良いコースを走るという、なんとも気持ちの良さそうなレースです。
経った4.7kmの封鎖区間ではありますが、思うままに公道を使ったレースができるので、楽しそうではありますね。
400人程度の小規模な大会ではありますが、5時間チームか3時間ソロと時間もちょうどいい。
季節も5月といい感じ。
5月はもてぎエンデューロと佐渡ロングライドだけでもうお腹いっぱいではあるんですが、これも来年は出てみたいなあ。
…予算の見直しが必要かな。
ヒルクライム
ヒルクライムの特徴
ヒルクライムの魅力というのはロードバイクに乗っている人以外に伝えるのが難しいですよね(笑)
スピードが出ない登りのコースで、ひたすら苦しさを感じて登るんですね。
最初だけちょっとワクワク感が会って楽しいんですが、それもすぐにしんどくなってくる。
後半なんか、「なんでこんなことやってるんだろう」とか「もう足を緩めてしまおう」とかずっと考えているわけです。
でも、登りきった時の達成感と、上での景色を見た時のすばらしさは、それが辛ければ辛いほど裏返って大きくなります。
やっている間はあんなにつらいのに、終わるといつの間にかまたやりたくなっている、そんな中毒性は感じますね。
ただ、マラソンのように「自分との戦い」要素が強いため、他人と競い合いたいと考えている俺にとっては、優先順位は下がります。
だからというか、近くに山が少ないからというか、まだヒルクライム大会には出たことがありません。
それでもやはり、ヒルクライムも好きなのでそのうち出てみたいなとは思っています。
今回は、出てみたいレースを書き出してみました。
出てみたいレース
Mt.富士ヒルクライム
やはり最初はこれですよね。
毎年6月第2日曜日あたりで開催される、日本最大の山で開かれる、日本最大の自転車レースです。
参加者8,500人!完走率99%!
数字が凄いですね。
河口湖口から富士山の5合目まで、富士スバルラインという有料道路を走る大会です。
距離25kmとかなり長いヒルクライムになります。さすがは富士山。
ただ、標高差1,270m、平均勾配5.2%と比較的登りは緩いことから、高い完走率になっているんでしょう。
その大会規模、完走率から、初心者からセミプロみたいのまで幅広くエントリーしてきます。
とても人気の大会で、完走するよりエントリーするほうが難しいとも言われるほどです。
エントリー峠とも揶揄されます(笑)
この規模から、イメージとしてはロードバイク乗りの全国模試のようなものだと考えています。
このコースのタイムが判れば、自分の自転車力の全国偏差値が判るわけです。
ちなみに、完走するとフィニッシャーリング(コラムスペーサー)がもらえます。
そして、タイムごとに色が変わり、90分を切るとブロンズ、75分以内でシルバー、65分でゴールドのリングになるんですね。
全体の分布から考えると、ブロンズは偏差値55、シルバーは65、ゴールドは75といったところのようです。
このカラーリングを取ってみたい、というモチベーションは結構いいですよね。
ちなみに今年は、エントリー峠で脱落しました。
エントリー開始してから2日以内に埋まるってどうなのよ(笑)
来年こそは出場します!
榛名山ヒルクライム
続いては、 群馬県の赤城山…の隣にある、榛名山のヒルクライムレースです。
こちらも年々規模が大きくなってきているようで、今年は5,000人も参加したようです。すごい。
コースは14km、標高差908m、平均勾配6.0%ですが、最大勾配14%と、ゴール付近にえげつない坂があるようです。
地域との密着性が高いようで、応援やボランティアだけでなく、会場付近で使える金券なども付くそうです。
これも賑やかそうで、レースにある「お祭り感」もよく楽しそうな大会ですね。
高崎なのでアクセスもいいし、これも出てみたい!
…が、開催日が毎年5月頭。
ゴールデンウイークなのはいいですが、同じゴールデンウイークにはもてぎエンデューロが…
翌週はだいたい佐渡ロングライドもあるし、スケジュールが過密になりすぎて二の足を踏んでいます。
しかし、そのうち出てみたいんだよなあ。
wiggle東京ヒルクライムシリーズ
これは、青梅市トライアスロン協会というところが主催しているヒルクライムレースです。
シリーズというだけあって、毎年の3回レースがあります。
山、坂だらけの奥多摩の中から、成木街道を登るNARIKIステージ(距離10km、標高差537m)、奥多摩湖側から風張峠を目指すOKUTAMAステージ(距離13km、標高差570m)、檜原村側から風張峠を目指すHINOHARAステージ(距離25km、標高差900m)の3コースがあります。
3つとも参加者が500人もいないぐらいで、富士ヒルやハルヒルに比べれば小規模ですが、東京都内でできるレースのため、かなりアクセスはいいと思います。
それになんといっても嬉しいのが、当日受付があること!
ヒルクライム大会は交通規制のためだと思いますが、ほとんどが早朝に行われます。
大規模な大会だと、現地受付は前日の夕方ぐらいまでに済ませておく必要があります。
場所も遠い場合が多く、前泊が前提になります。
しかし、この東京ヒルクライムは当日の朝に行けば大丈夫!
スパッと走ってサクッと帰りたい、そんなストイックなレースにはもってこいだと思います。
キングオブヒルクライム富士
富士ヒルクライムが登るのは富士スバルラインですが、富士山五合目までは別のルートで登ることもできます。
そして、このキングオブヒルクライムで登るのは、静岡県の富士宮口から五合目を目指す、富士山スカイラインを走るレースになります。
KOH冨士山|BikeNavi GrandPrix:バイクナビグランプリ
「キングオブ」ってあたりで嫌な予感MAXですが、この大会はなんと距離26.5km、標高差1,800m。平均勾配6.9%。
富士ヒルの1.5倍の標高差があります。
間違いなく、日本最大のヒルクライムコースでしょう。
富士ヒルは万人向けの全国大会ですが、こちらのキングオブヒルクライムはまさにキング。
ヒルクライム界のラスボス、というところでしょうか。
規模も定員1,000人と、8,500人の富士ヒルに比べれば小規模です。そして多分初心者もいない。
きっと、「富士ヒルじゃ物足りない!」って人が出るんだろうな…
富士山登ってんのに物足りないとかよくわかんないけど、その気持ちが分かったら出ようかな。
富士山国際ヒルクライム
富士山五合目までは3つのアプローチがあります。
ということはもちろん、ヒルクライムレースも3つあるわけです。
3つめは静岡の須走口から、ふじあざみラインを登る富士山国際ヒルクライムです。
こちらはなんと、 全長11.4km、標高差1200m、最大勾配22%。
標高差は富士ヒルと同じなのに、距離が半分以下です。
つまり、勾配は倍以上。
前半は10%越えがバンバンで、後半になると20%を超えるとかなんとか。
前輪が浮いて進むのが大変とか。
…えっと。
キングオブヒルクライム富士がラスボスなら、こっちはクリア後の世界に出てくる裏ボスでしょうね。
「激坂好き」にはたまらんのでしょう…
しかし、日本人として富士山のヒルクライムは制覇してみたい、というモチベーションもあります。
いやしかし…
クリテリウム
クリテリウムの特徴
クリテリウムはエンデューロよりも短い、時には1kmを切るようなショートコースを、規定の回数周回するレースです。
プロだと街中、アマチュアだと公園などにステージが作られたりします。
日本では、毎年10月に埼玉で「ツールドフランス」の名を関するレースが開催されますね。
世界のトップレーサーが集まり、目の前を通過する熱いレースです。
去年は都合つかなかったけど、今年は行けるといいな。
特徴は一回の試合が短い事がまず挙げられ、10分程度から1時間程度で終わります。
ヒルクライムもそれぐらいですが、クリテのコースはフラット。
コーナーも多く、テクニカルなコーナリングとダッシュ力が必要なことがほとんどだと思います。
それからアマチュアレースとしての大きな特徴は、同時に走る人数が少ない事です。
だいたい、数十人規模で行われます。
しかも、実力ごとにクラス分けして、一日に何レースも開催されるわけです。
人数が多い場合は、クラス内でもいくつかに分かれて、上位者で決勝レースが行われます。
実力が近く、かつ小人数になっていることで、より戦略性が求められるレースです。
集団からちぎれたらおしまいですが、集団も小さいため位置取りが凄く大切になってきます。
一度だけ参加しましたが、これが凄く楽しかった。
時間は短かったですが、その中で戦略を考えて走る、というのは自分が求めていたことに近かったように感じました。
これまでに出たことあるレース
とりでクリテ
これが唯一のクリテリウム参加経験です
全国でクリテリウムを中心に、いろんなレースを開催している チャレンジリーグが開催する、取手でのクリテリウムです。
春のとりでクリテ、という名前でしたが、時期は3月。
国道6号(水戸街道)沿いの利根川河川敷にある、取手緑地公園に作られた、1.6kmの周回コースを回ります。
コース幅は3mと非常に狭く、ヘアピンカーブも多い、テクニカルなコースです。
当然公園なので路面も整備されていない、土のコースになります。
またレースはいくつもの実力クラスに分かれていて、それぞれのエントリーになります。
レース初参加の人のためのフレッシュマン(4周)、レース経験5回未満のビギナー(5or7周)、レース経験10回未満のスポーツ(9 or 17周)、実業団クラスのエリート(17周)に分かれています。
距離は6.4kmから27.2km。距離はけっこう幅がありますね。
それぞれのクラスは30人以内ぐらいで分かれていて、ビギナー、スポーツは上位者が決勝ラウンドに進むことができます。
自分は、ビギナー9kmで参加することにしました。
クリテリウムは初めてでしたが、レース自体は初めてじゃないし、距離も短いので少しだけ背伸びする形で。
でもビギナーなら、自分にも勝てる可能性があるんじゃないかと考えて、ちゃんと戦略は立てていきました。
しかしレース前に並んでみると、全然周りに「ビギナーっぽい人」がいない。
みんな良い自転車乗ってるし、すごい使い込まれてる。
ほとんどデュラエースだし、俺が持ってるホイール(7万円ぐらい)でも一番安い方。
みんなの体つきも凄いし、漂うオーラ。
あ、俺と同じ105の自転車いた!と思ったら高校生だし…
でも何とか、3位に入賞することができました。
戦略を立てていって、それが功を奏した感じですね。
初めて表彰台に立てて、ビギナー枠でもすごくうれしかったです。
ただ、決勝ラウンドはまったく歯が立ちませんでした。
うーん、ビギナーでこれか…
ビギナーって言っても、自分と同じような「クリテリウムはビギナーだけどね」って人ばっかりっぽいです。
自分が東京の水戸街道に近いところに住んでいたので、開催地まで自走で1時間ぐらいで行けたのが良かったですね。
道はあまりよくないですが、手軽に参加できる、という意味ではいいと思います。
出てみたいレース
浮城のまち行田クリテリウム
埼玉県行田市で開催される、通称行田クリテ。
開催は12月から2月にかけて、シリーズ戦で行われます。
コースはあまりよく知りませんが、一般公道や、一部農道があったり、面白いところのようです。
埼玉の熊谷の当たりなので、比較的近いのもいいですよね。
なによりこれがいいな、と思うのは時期です。
ちょうど寒くてレースも少ないシーズンなので、高強度でズパッと走るレースは、練習も本番も向いているんじゃないかと思います。
近所でシリーズ戦ということもあって、参加してみたいクリテリウムの一つです。
大磯クリテ
関東でクリテリウムと言えば、やっぱり一番有名なのがこの大磯クリテリウムじゃないでしょうか。
大磯ロングビーチで一周1kmの単純な周回コースをたくさん回ります。
非常に多くのカテゴリーに分かれているのが特徴で、特に子供向けが充実していることから、親子連れが多いんじゃないかな、と予想。
大人向けはピュアビギナー、ビギナー、スポーツ、ミディアム、エキスパート、エリートと分かれています。
JCRCみたいに、どんどん上のクラスに参加していく楽しみもありそうですよね。
だいたい秋から春まで、年中通して行われているので、参加するなら定期的に出られると面白いんだろうな、と思います。
ただ、大磯遠いんだよなあ(笑)
神奈川県民だった頃ならよかったんだけども…
番外編
自転車レースは結構シリーズ戦が多いです。
上にあげた中でも、エンデューロ、ヒルクライム、クリテリウムそれぞれシリーズ戦のものも多くて、年間通して総合ポイントで表彰されたりするのもあったりします。
その中でも、いろんな種類のレースが含まれているのがこれ。
ツールドジャパンと言えば、プロが参加する国際的な大会ですが、こちらは違います。
上にあげたバーニングマンレースや、犬吠埼エンデューロなんかが含まれますが、それ以外にもロングライド大会なんかも含まれる、全国のサイクリングイベントが含まれています。
たくさん参加して、上位に入賞すれば表彰もされるみたいです。
いろんな企画があって飽きなさそうだな、と思いますが、何せ日本全国…
車があって、時間があって、資金があれば試したいなーとは思いますが、なかなか実現しなそうです。
しかし、ツールドニッポンじゃなくても、何か通しでシリーズ戦に参加するというのは、結構楽しいんじゃないかなー、と思う今日この頃。
後記
ちょろちょろっと書くつもりが、書いてみるとすごい分量に…
分割して書いても良かったかなというぐらいの、超大作になってしまった(笑)
レースと言えば、ただひたすらストイックに上位を目指すのも楽しいので、なるべく自分でも入賞できる可能性がありそうな、小さな(身の丈に合った)大会に出るというのが、一番勝負の勘を高められる方法なんじゃないかと思います。
でも、多くの人が集まる、お祭りのような大会というのも賑やかで、それはそれで楽しいものです。
その時々で、自分にとって楽しいと思えるものに参加し続けていきたいですね。
演奏会を終えた感想と、今後の楽団に求めること
演奏会を終えて
色々と詰めた3か月間が終わった。
相変わらず、他の予定をこっちに割いてやっているだけに、終わった後の喪失感が大きいです。
喪失感の大きさは、満足感とも比例するところはあるんだろうけれども。
やっているときは大変だと感じていても、終わってみると楽しい日々だった、ということは往々にしてありますね。
今回はまあ、一曲目のソロがうまく言ったんで良しとしましょう。
トランペット吹きとして、一番重要な仕事をきっちりやったということで。
翌日は有休をとっていたけれども、酔っていたのか終電ぐらいで帰ってしまった。
朝まで飲んでいる人もいなさそうだったしね。
翌日の休みは、なんだか気の抜けた日を過ごしました。
マンガ読んで、テレビ見て。
録音聴いてみたいな、とか考えながら、寝っ転がって過ごしました。
さて、これからは何をしようかな。
多楽器主義
ところで今回の演奏会では、トランペットに加えて、フリューゲルホルン、コルネット、クラリネットと4つの楽器を演奏しました。
トランペットと似た大きさのマウスピースを持つ、フリューゲルとコルネットはいいのだけど、クラリネットはやはり壁が大きかったですね。
3か月ぐらいではあったけど、社会人ながら週に4回ぐらい練習を積んだことで、なかなか吹けるようになったんじゃないかと思う。
やっぱり速指はスムーズにいかないところも多いけど、音は一人前に出せるようになった。
もうちょっとうまくなりたいと思ったら、いろんな調の速指メインのエチュードでもこなせば、1年あればみんなに追いつけるんと違うかな…というところまではきました。
これからも続けるかどうかは、少し悩み中。
やるなら借りていた楽器を返して、自分のを買わなくては。
今回は両方とも一定のレベル以上で演奏できたので、みんなから責められることはなかったけれども、やはり吹奏楽というのはマルチプレイヤーに対して良く思われない環境が根強いように思います。
うちのサークルでは、下記の持ち替えはが頻繁に行われます。
トランペット:フリューゲルホルン、コルネット、ピッコロトランペット
フルート:ピッコロ
サックス族:全部(バリトン以外のことが多い)
全パート:ピアノ、マラカスなどのパーカッション
基本的に「特殊管」との持ち替えは許容とされていて、「曲によってはそのパートがない場合がある」パートが「特殊管」と呼ばれるような感じがします。
なので、ジャズではよく見かける「サックス:フルート」の持ち替えや、マウスピースを同じくする「トロンボーン:ユーフォニアム」の持ち替えなんかはほとんど見ない。
やろうと思えば、「クラリネット:サックス」や「トランペット:ホルン」なんかも問題なくできると思うのに。
特殊管以外の持ち替えは、禁忌というか、はしたないというか、いろんな感情があるのではないかと感じています。
一つには、プレーヤー自身が「本職の調子を崩すのではないか」と心配しているのはあると思います。
それはきっと、崩す人と崩さない人がいるんでしょう。
他には、やはり慣習というか、浮気というか、極めてナンボというか、そんな感じの「ほかの楽器をやるのは何となく歓迎できない空気」みたいなものがあるんじゃないかと思っています。
でも俺は、いろんな楽器をやるのは別に悪いことだとは思わない。
その結果、総合的に見てプラスならやればいい。
誰でもできることだとは思わないけど、やりたいと思う人がどんどんできる環境ができればな、と思う。
そして、今回その皮切りにみんなが自由に考え出してくれれば嬉しいですね。
「トランペット:ホルン」のような許容遷移でなく、「トランペット:クラリネット」という禁制遷移を先陣切ってやって見せたのだから。
みんなが「俺でもできるんじゃね」って思ってくれればな。
「多楽器主義者」ではないけれども、慣習に縛られない、自由な音楽ができることを願います。
いよいよ明日が定期演奏会
6月からは、毎週末ずっと楽器の練習をしていました。
明日のために。
OB吹奏楽団と名前は付いていますが、現役の頃から参加し続けてもう9年目。
またこの季節がやってきた、と思うのと同時に、終わりが近づいてくるのを寂しく感じたりもします。
毎年自分の立場も変わっていき、今年は6年ぶりに演奏者という立場のみで参加します。
トランペットの方は楽曲も難しくないので、今年は大人な演奏を心がけてまたひとつ、成長する事が出来そうです。
そして今年はもう一つ、クラリネットでも参加しています。
5曲はトランペットで残りの4曲がクラリネット。
6月末に楽器を借りてから、平日でも2時間とか時間を割いて練習してきました。
こっちのほうはなんだか、この歳にして初めての発表会的な緊張感を味わえそうです。
どんどん新しい事に挑戦して、成長していきたい。
同じ「OBバンド吹奏楽団定期演奏会」という枠組みの中で、毎年自分と向き合えるいいタイミングです。
よし、頑張ってくるか。
和音の音程と数学
日記?を再開してから2か月ぐらいが経ちましたが、なんだか最近は日記というか、ブログの記事みたいになってきています。
数年間日記を書いていなかったおかげで、書きたかったことが溜まっていて、それをまとめて放出しているうちにこんなことに…
しかし最近では、ネタが尽きかけているせいか、遅筆になってきました。
まあ、マイペースに書こうとは思っているのですが、2日に一回更新しよう、と心の中で考えていたのも途切れそうです。
…とここまで言い訳をしたところで、大学時代に書いたコラムを見つけてきました。
和音の音程について、長調の第三音を下げ目に取る理由について考えたものです。
サークル内の配布物に寄稿しましたが、こっちのネタにもなるかなーと。
ネタ切れ感が凄いですね。
まあいいや。
それでは、始まり始まり~
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今回は理工学部っぽい感じで、みんなの嫌いな数学の話をしたいと思います。時間があれば読んでみてください。
音とは空気の振動、空気が造る細かい波です。1秒間に空気が回振動するとき、「周波数が Hzである」と言います。皆さんお馴染みのA=442Hzでチューニングというのは、チューニングBの半音下のAの音が442Hzである、ということです。
ここで、ある周波数[Hz]の音1と、この倍の周波数[Hz](=[Hz])の音2があったとします。このとき、「音2は音1より1オクターブ高い」といいます。勘のいい人はわかると思いますが、周波数が4倍になると2オクターブ高くなります。8倍だと3オクターブです。つまり、オクターブ違う2つの音の周波数、[Hz]と[Hz]の関係は下のようになります。2のn乗となりますね! これぐらいわからないと大学には入れません。
昔の偉い人は、オクターブを1200等分したものを1centとする、と決めました。
つまり、cent違う音の周波数の関係を上の式と同じようにつくると、下のようになります。
上の式と比べると、1200cent違うと1オクターブ違うというのがすぐわかりますね。ちなみに、オクターブを12等分した100centというのが、平均律でいうところの「半音」になります。
例を考えてみましょう。A=442Hzでチューニングをしている時、チューニングBの音の周波数はいくつになるでしょうか?
上の式のxには、BはAより半音高いので100 centを、A1には442Hzを代入すると、下のように求まります。
すなわち、
ここで、次からの話題のために、皆さん高校の時に数学ⅡBで習ったlogの知識を使って上の式を下のように書き換えておきます。
話題は変わりまして、和音の話になります。周波数の比が綺麗な整数比になる時に、綺麗な和音ができあがります。
その中でも簡単な整数比、4:5:6を考えてみましょう。それぞれの周波数を、、とおきます。これが最も有名な三和音、長三和音となります。誰もが知っている、ドミソの和音です。
まず、ドとミの関係を見てみましょう。に、にをさっきの式に代入してみます。
平均律ではドとミは半音4つ分、つまり400 centになります。もうお気づきですよね? 三音が普段13.7 cent低くして演奏しなさいと言われる理由はここにあります。
次にドとソの関係を見てみます。上と同じように4fと6fを用いて計算すると、702.0 centとなります。平均律では半音7つ分である700centに対して2cent高いのがすぐにわかるでしょう。これは結構小さいので無視していいと思います、たぶん。
まとめると、centというのは周波数比により、純正律は計算で求められるということです。
ちなみに純正律では周波数比が、1:1を完全1度、1:2を完全8度(オクターブ)、2:3を完全5度、3:4を完全4度、4:5を長3度、5:6を短3度としています。これを使って、短調の3度がどれだけ音程を変えなくてはならないのか計算してみるのも良いでしょう。
また代表的な4和音として属七の和音(ドミソシ♭)がありますが、この和音に対する解釈の一つとして、周波数比4:5:6:7という属7度音程があります。これは計算してみると-31.2centとなるんですね。でも、属7度は純正律ではそうなりません。どういうことがいいたいかというと、この周波数比に関する知識は万能じゃないってことですね。あくまで、「解釈の一つ」として考えてもらうといいと思います。
他にも周波数が2倍、3倍…となっていく「倍音」があります。トランペットでは下のBが第2倍音なので、解放でリップスラーをして考えてみてくださいな。トランペットはもともとBを基音とする純正律の楽器です。だから、「この音は高く(低く)なりやすい」っていうのがあるんですね。
もっと知りたい人は、インターネットを使ってみるのも良いと思いますが、僕に聞いてくれればそこらの音大生よりは語れると思います。
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…と、昔の俺は言っていた。
Blast! Music of Disney
3週間ほど前、ブラストを観に行ってきました。
ブラストは一言でいえば、アメリカのサーカス的マーチングバンドです。
アメリカって、スクールバンドでマーチングやっている印象があって、フットボールとかのハーフタイムに演奏したりするんですよね。
たぶんですけど、そこで鍛えられた精鋭が集まったところかな、と思ってます。
金管楽器や打楽器を持った人が吹きながら動き、バトンを持った人がバトンを投げて踊る。そんなステージです。
特に、金管楽器のビッグバンドのような激しいサウンドと、曲芸のような超絶パーカッションが売りなんじゃないかと思っています。
聴いて凄い、観て楽しい。
ブロードウェイをはじめ、世界中で公演をしている集団です。
高校生の頃に行ったことがあるんですが、今回は演目が変わる、ということでいの一番にチケットを購入していってきました。
そう、今回はディズニーとコラボレーションする、ということで非常に期待度が高かったです。
少し話は変わりますが、吹奏楽部とディズニーって相性いい気がしますね。
ディズニー音楽がブラスセクションを多用した楽曲が多い、というだけでなく、音楽と演出をコラボレーションさせる、というのが高校吹奏楽部の演奏会の演出を思い起こさせるからでしょうか。
まあそんなこんなで、今回は国際フォーラム ホールC。
初日に押さえただけあってあって、7列目と好席位置。
ディズニーの世界観はどこまで入れてくるのか、と期待しながら開演を待ちます。
始まったのは、ファンタジアのような世界。
無言劇のような、主人公(背が高いフルーティスト)が演奏しながらいろんな音楽を奏でていきます。
曲もファンタジアで使われた曲が何曲かありました。
そして、相変わらずのドラムの超絶技巧。
スネアだけのはずなのに、見ていて何をやっているのかよくわからない。
素晴らしい演奏技術とエンターテインメント性でした。
中間の休憩では、ロビーでフラッシュモブ?
というか、みんな休憩時間になったら我先にとロビーに向かっていたのでみんな知ってたんでしょうね…
サプライズではなく定番なのかもしれませんが、本気のお遊びといった感じのエンターテインメントでした。
後半はディズニー映画の曲が使われて、前半のファンタジアとは少し雰囲気が変わりました。
全体感としては、そんなにディズニーの世界観を中心に作りこんだ、というよりも、ブラストの世界観にディズニーの音楽をのせた、という感じ。
ミッキーを思い起こさせるような曲は少なかったですね。
やはりエンターテインメントはこうでないと、と思わせるショウでした。
吹奏楽やクラシックの演奏会って、結構みんな表情が暗いんですよね。
いや、真面目で真剣なのは伝わってくるんだけど、楽しそうな曲なら楽しそうに演奏してほしいよね。
観ていても楽しくさせる、やっぱりブラストは素晴らしかったです。
でもね、でもね…
ディズニー×マーチングと言えば、やっぱり最初にこれが頭に浮かんじゃうわけで。
Future Corpsは、アメリカのディズニーワールドに昔いた、伝説的な集団です。
ブラストよりも小規模ですが、かなり近い楽器構成です。
しかし彼ら、キチガイじみた演奏をします。
超絶ハイトーンに代表されますが、どんだけ吹けるんだ、と今見ても驚愕します。
これと比べちゃ駄目なのはわかってるけど、これが見てみたかったんだよ…
ドラムはこれに近いぐらい驚愕の演奏をするブラストなんだから、トランぺッターもこういうの揃えてほしいな(笑)
また来年もブラスト来るみたいですよー
トランペットを吹くときに最も大切にしていること
楽器を演奏するときに、ゆるぎない指針があるとそれだけで上達が早くなるのではないかと思っています。
それは、人によって大きく違うところと思いますが、例えば一つの教本だったり、誰か尊敬するトランぺッターだったりすると思っています。
俺にもそれは一つあって、自分の好きなトランぺッターの語録がそれにあたります。
自分が最も好きなトランペット吹きは二人いて、故ロルフ・スメドヴィック氏と故アドルフ・ハーセス氏です。
ロルフ・スメドヴィックは金管五重奏エムパイヤ・ブラスのトランぺッターです。
自分が初めて聞いた金5の音源であり、あの時の衝撃は忘れられません。
クラリネットを吹いているようなスムーズなハイトーンの速指が、よく聞くとトランペットだった。
殆どのトランペットって、音色や音程にクセがあるため、なんの音をなに管で吹いているか、聞けばだいたいわかるんですよ。
でも彼のトランペットだけはなんの音かわからなかった。
完璧な音程。完璧な技術。
あそこまで人間離れした精緻なトランぺッターは他に知りません。
はあはあ…(*´Д`)
しまった、興奮して話がそれてしまった。
そうではなく、今回はもう一人の方。
故アドルフ・ハーセス氏です。
この人は半世紀以上にわたって、かのシカゴ交響楽団で首席奏者を務めあげた最強のトランぺッターです。
伝説は枚挙にいとまがありませんので割愛しますが、少し調べるだけでいくらでもヒットします。
このハーセス氏がいつかのレッスンで弟子に言ったものだと思いますが、それをメモしたものが自分のバイブルです。
ハーセス・レッスン・メモ*1
メモはティム・ケントが巨匠、アドルフ・ハーセスとのレッスン中にとられました。
- 練習セッションとすべての演奏
- すべての音域とボリュームでロングトーンの練習をしなさい。
- シングル・タンギングのスピードとダブルおよびトリプル・タンギングのスピードをオーバーラップさせてください。
- ソルフェージュ - 視唱 - オーケストラからの抜粋と練習曲をマウスピースでバジングしなさい。
- 美しくそしてありのままのふさわしい時があります- 両方を使用しなさい。
- サウンドはあなたがあれこれをどのように行うかの基準です。
- メロディ(旋律)を演奏することは非常に重要です。技術的なパッセージでさえもトーン(音)の重要性を知ってください。
- 高音域の曲を演奏をするのに練習のためにさらに高いノートからピック・オフ(むしり取る)してください。
- 覚えていて下さい。 - 不安定な高音域はノートをヒットするという気を緩めることが原因です- むしろ塊をテイク(取り)しそしてブローします。それが素晴らしくなるただ一つの方法です。あなたがすべてのノートで気を緩めれば耐久性が失われ、そして全体的なサウンドは吐き気を覚えるようなものになります。
- 一貫させなさい、そして決して練習してはいけません。何時もパフォームしなさい。
- 演奏する場合身体にどんな緊張も持ってはいけません、常にリラックスすることを学びなさい。
- スラーに賛成しません、そして実際どんなノートにも賛成しません。
- 45分だけの練習セッション、それがバドが行うことである。
- あなたのチョップスはどこも調子が悪くありません。あなたの心はそれらを台無しにしています。高音域は低音域よりフィジカル(肉体的)ではありません、それらが同じくらい容易であるべきであり同様に丁度良くサウンドするべきです。そのそのような問題を行なわないでください。この習慣は作り出され結局去るでしょう。しかしながら、この悪い習慣を取り除くために、1つの方法だけがあります。また、それは毎日演奏することにコンセプト(概念)を適用することです。
- すべてのレンジ(音域)で音程の合った良いサウンドさせるためにアルペジオを演奏し、そしてサウンドを聞いてください。
- バドは歌手が行うようにエクササイズを演奏します。
- すべての高音域のメカニックについて考えないでください、ただ演奏しそして聞いください。
- ノートが美しくサウンドしている場合は音程が合っています(逆もまたしかり) 。
- よいサウンドと同じラインに沿ってアプローチしてください。そうすればイントネーションはまたそこに来るでしょう。耳は仕事をすべて行うでしょう。
この語録のいいところは、精神的であいまいな部分と、実際の演奏に際した具体的な練習方法のどちらもがバランスよく書いてあることです。
メンタルもフィジカルも、その両方が大切ということです。トランペットという楽器においては特に。
そしてこれらの指摘は全てが重要ですね。全部のコメントで語れます。
その中でも、一番好きなことばがこれ。
「練習してはいけません。パフォームしなさい」
この言葉は、それまでロングトーンとかタンギングとか、メカニカルな基礎練をたくさんやってきた自分にとって非常に衝撃的でした。
performそのものの意味としては、「果たす」「演じる」「演奏する」等の意味があります。
「果たす、成し遂げる」というところから感じ取れるニュアンスとしては、どちらかというとプラスの意味があると思います。
自分の中でのパフォームの日本語訳は、「魅せる」です。
楽器を構えて、音を出し始めた瞬間から聞いている人のことを意識する。
それがただのウォームアップであっても、ロングトーンであっても、常に誰かを魅了できるような「音楽をする」こと。
たとえ、聴いている人が誰もいない部屋で吹くときでも。
これを考えるようになってから、自分の感覚が大きく変わったように感じます。
まず、すべてが音楽的になりました。
楽器を吹くことに技術的な要素を考えていたのが、楽器が音楽をするただの手段のひとつであることが理解できたというか。
そして、自分の出す音に心を込められるようになりました。
そうなると、楽器を吹くことへの集中力が上がりました。
特に技巧的に難しいところ、例えばハイトーン域での「音を当てなきゃ」という雑念とかね。
自分の楽器を演奏する際の、これからも大きな指針になり続けることは間違いないです。
最後に。
*1:KUNIOのホームぺージより引用、原文はHerseth lesson notes
吹奏楽部・吹奏楽サークルの男女比について考えてみる
大学で吹奏楽サークルに入って
そういえば10年前に大学に入学して、不思議に思ったことがあります。
それは、吹奏楽サークルの男女比がほぼ1:1だったこと。
中高は男子校で吹奏楽部に入ったから、男女比は10:0でした。
大学に入ると、きっと女性の方が多いんだろうと思って(こっそりとわくわくして)いたのですが、意外とそんなことはなかった。
時は経って、今はOBバンドにいますが、今でも男女比は1:1ぐらいをキープしています。
さらに年を取ってくると、男の方が多くなる…のかどうかは知りませんが、年齢によって男女比は変わっているのではないか?と思い、ちょっと考えてみることにしました。
小中高の吹奏楽における男女比
小学校にいた頃は、クラブ活動でマーチングバンドがありました。
確か、全員女の子だった。
しかも、女の子は半分以上は入ってたような気がします。
自分は歌を歌うのが好きで楽器にも少しだけ興味はあったけど、とても男が入れる場所ではなかったのを覚えています。
そして小学校で楽器をやっていた女の子の大半は、中学に入って吹奏楽部に入ったようでした。
一方、大学に入ってから久しぶりに開かれた小学校の同窓会では、女の子全員、中学か高校で吹奏楽部をやめてしまったようでした。
トランペットやってた子と話せるのも少し楽しみにしていただけに、その時は少し残念に感じました(笑)
加えて中高の吹奏楽部では、大学の友達に聞くと、やはり多くは女性が多いようでした。
男子校からするとそういった友達が羨ましくて根掘り葉掘りそのハーレム状態について質問するんですが、決まって「そんなにいいもんじゃないよ」と返されていました。
やはりでも、小中高では女性が多い、というのは間違っていないようです。
年代による男女比の変化
上記のことについて、実際のデータが欲しいと思って調べてみると、いくつか出てきます。
そして同時に、昔の吹奏楽部は逆で男ばかりだった、との話も出てきます。
それはいつ変わったのか。なぜ変わったのか。
時系列的な変化はいくつかの考察がされており、論文などもネットを通してみることができます。
詳細は論文を読んでもらえばいいと思いますが、簡単にまとめると下のような感じです。
- 日本の吹奏楽部は戦後、昭和20~30年(1940年代)から始まった。
- 1960年頃までは、ほとんどが男性で構成され、「吹奏楽=男のやるもの」だった。
- 1960年代に、「受験激化による男子の部活離れ」「ギターブーム」「東京オリンピックによる運動部ブーム」によって、男の吹奏楽部員が減っていった。
- 同時に、女子の高校進学率の上昇、男女の社会通念の希薄化により、女性の吹奏楽部員が増加した。
- 1970年にはほとんど男女比1:1になり、更に男女比の逆転が進む。現在では男女比はおよそ1:9になっている。
原因として挙がっているものはいずれも、さもありなんと頷きたくなるものばかりですが、その中でもロックによるギターブームは大きいんじゃないか、と思います。
1970年には1:1だった男女比が、なぜ1:9までに至ったかを考えると、やはり「男女の社会通念」の変化だと思います。
つまり、最初は「吹奏楽=男子のやるもの」だったのが、1970年に壊れてから現在までに、「吹奏楽=女子のやるもの」に再構築されたんじゃないでしょうか。
流れとしては、男女比が女性優位に傾いてくると、さらに男は恥ずかしくて吹奏楽部に入りにくくなる、という循環が続いた結果、ロックブームも相まって「男はギターで軽音楽、女は管楽器でクラシック」の模式図が定着していったんじゃないかと考えています。
ただ、これらの文献やネットの情報では、「年代による男女比の変化」に関する考察はされていても「年齢による男女比の変化」に言及されている情報はありませんでした。
中高では女子90%なのに、なぜ大学では50%ぐらいまで低下するんだろう…
年齢による男女比の変化
やはり少年少女にとって、「男はギターを嗜み、女は管楽器を嗜むもの」という概念が定着しているのではないかと思います。
少なくとも、俺を含めた数割の中学男子が、ロックに憧れてギターを手に取っています。
そして嗜みだからこそ、習い事としての水泳、ピアノや習字と同じように、成長とともにやらなくなる人が多いんじゃないか、と思いました。
幼いころにやっていた習い事は、大人になってもやっているとは限りません。
むしろ、やめてしまう人の方が多いんじゃないかと思います。
ギターも同じで、中学にギター買った友達のどれだけが今まで続けているか。
そしてここからがポイントですが、大学ぐらいになるとそういった「ライトにやっていたい層」が減り、結局男女比1:1というところに落ち着くんじゃないかと思っています。
つまり「何かに真面目に取り組もうと思ったときに、男女は関係ない」ということです。
社会通念的に「吹奏楽部は女がやるもの」となっている今では、女子は周りに流されて吹奏楽部に入るし、男子は恥ずかしくて吹奏楽部に入りません。
それが、「意外と面白くなかった・もう飽きた」と多くの女性が吹奏楽から離れ、「やっぱり音楽を続けていたい」と端から意識の高い男性が吹奏楽に残る。
結局残るのは「やっぱり音楽やりたい」と思っている人たち。
そしてその集まりが大学の吹奏楽サークル、という図式です。
ところでネットで見つけた情報で、興味深い内容がありました。
「コンクールなどが強い中高の吹奏楽部ほど、男女比が1:1に近く、逆に緩い吹奏楽部は、女性が多い傾向に強い」というものです。
確かに、と納得するところがあります。
周りの共学校を見渡すと、そういう傾向にあるような気がする。
統計はないし思い込みかもしれませんけど、それが事実と仮定して考察してみます。
軍楽隊に端を発する日本の吹奏楽界は、特に昔は軍隊式でスパルタな練習だったんじゃないでしょうか。
それだときっと、女性は入れなかったんじゃないかと思います。
そしてその名残はどこか今でも引きずっているところがあり、吹奏楽というと「文化部にして体育会系のようだ」と言われることもある、厳しい雰囲気があります。
強いところは、今でも軍楽隊要素が残っているところが多いんじゃないでしょうか。
熱血的指導、汗と涙、気合と根性。
コンクールに勝つために練習する。
そういうところだと、中高の少年少女であっても、上記した「やっぱり音楽やりたい」層しか生き残れない、とも考えられますかね。
うん、なんかすっきりした。
男はギター、女は管楽器。そんな社会通念の構図があるような気がします。
そしてそれは、年齢とともに変化して、大人になるごろには男女が均されることで、少なくとも吹奏楽サークルの男女比は中高のそれと変化する。
誰か、「コンクールなどが強い中高の吹奏楽部ほど、男女比が1:1に近く、逆に緩い吹奏楽部は、女性が多い傾向に強い」のかどうか統計を取ってくれないかなあ。