隆の導火線

隆の導火線

ほとんどトランペットかロードバイク、料理の話。

研究室


つい一か月ほど前日記に書いた話ですが、学会に出てみないかという話。
あれから自分に「11月末まではやれるだけやろう」と決めまして。


それを思い立った日に、ある手段を思いつきました。
夜にいったん家に帰って夕飯を食べて、それから研究室に来れば夕飯の時間も常識的な時間になるし、終電も気にしないで実験ができる!というナイスな案です。


思い立ったが吉日。
19時ぐらいまで実験をしてから急いで家に帰って、家族と夕飯を食べる。
21時前ぐらいに研究室に再度行き、実験再開。
4時過ぎぐらいに学校を出る。


わお。
これはなかなか捗るんじゃないか?


…と思ったのも束の間、続きませんでした。


なぜなら。


その日の帰り、自転車で転んで骨を折ってしまったからです。
いつもと違うマウンテンバイクで急ブレーキをした瞬間、後輪が思いっきり持ち上がりまして。
そのまま2メートルほど前方へ投げ出され、左半身を強打しました。


記憶にあるのは、天地が逆転して自転車が見えている画。
たぶん自転車で投げ出されて縦方向に一回転以上したと思います。
頭が一度下になって、もう一度上になってさらに下になりかけたところで落ちた。
それぐらい勢いがあったわけです。
ちなみに平地。


その時は「めちゃくちゃ痛い」ぐらいに思っていて、右手だけで自転車を漕いで帰って寝たのですが。
その翌日目を覚ますと、左腕が動かない。


異常を感じ、整形外科へ行ってみると…
まさかの、「左橈骨頭骨折、左手首打撲、左肋骨打撲」を言い渡されました。
ギプス巻かれました。


マジか、と思いましたね。
実験がやりにくくなる。
片手じゃできないことが多すぎる、研究のペースダウンは逃れられない。
つまり、学会に向けた研究が滞り、学会への参加が難しくなる。


まあでも、それでもあきらめませんでした。
時にはギプスを外し、痛い腕を鞭打って実験をし。
時には学校から帰らず、30分ぐらいの睡眠時間で研究を続け。
先生から助言をもらい、最後まであきらめずに立ち向かいました。


しかしながら、11月30日午後9時頃。
最後に頼りにしていた実験も失敗し、学会参加を諦めました。


少し悔しい気持ちもありましたが、結構達成感を感じていました。
「俺よくやったよな」みたいな感じの。


自分にとって、「本気を出す」という事のハードルってとても高いんですよ。
「もう本気でこれ以上できない!」っていうところまで自分を追い詰めて、初めて自分が本気を出した、と認めることができるのです。


でもそれってすごく難しい。
「まだ自分には犠牲にできるものが残っている」と思った時点で「本気出してない」

となるからです。
まだ睡眠時間犠牲にできるんじゃね?まだ他の予定犠牲にしてやれるんじゃないのか


そう考えていたらきりがない。


今回は「命削ってやってる、もう他に削るものない」と思えたので、本気を出せたと思えたのですかね。
最後なんて2日間睡眠なし、カップ麺一つとパン一つでやりぬきました。
ドMなんです。


まあそもそも、「辛くない仕事は楽しくない」というのが持論でして。
よく2ちゃんねるとかで、社会人が仕事の辛さを自慢しあっているやり取りに対して「社畜乙」なんていうコメントを見ますが、それも俺は社員さん側を支持します。
辛いことが大きければ大きいほど、それを乗り越えた時の達成感も大きいものなのに。
楽しいだけのぬるい人生のどこが楽しいのか。


忙しいの万歳。
進化・成長とは苦難を乗り越えた時にこそ手に入れられるものだ。
なーんて。


ちなみに、学会に出られなかったのは少しだけほっとしました。
春休みには7日間のインドネシア旅行、11日間のヨーロッパ旅行を控え、学会準備の時間なんて取れないかなーと思っていたので。
悔しい気持ちもあるけどね。


修論までには成功させたいな。
結果が出なくても当然卒業に問題はないと思うけれども、これは自分に課した枷です。
「大学院に入ったらしっかり研究すること」!