ピッコロトランペット購入記3 ~演奏編~
前回の続き。
さあ、楽器は届いた!
けれども、マウスピースがない…
ピッコロトランペットの吹き方
マウスピースを買う前に、どのようなマウスピースを買うか、ということを考える意味でも、ピッコロトランペットの吹き方に関する考察を書いておこうと思います。
「ピッコロトランペットはトランペットと基本的に演奏方法は同じ」
…という人が多いですが、俺は全く演奏方法が異なる楽器だと思っています。
だって、楽器の長さが2倍も違うんですよ?
トランペットとトロンボーンぐらい違うわけですよ。
トランペットとピッコロトランペットはマウスピースのシャンクとピストン構造が同じだけで、あとは全然違うと思います。
「ピッコロトランペットを吹いても、トランペットと大して音域変わらないよ」ってのも同じ。
トロンボーン吹きがトランペットを吹いても、トランペットの音域をきちんと吹けないのと一緒。
特に自分が違うと感じるのは、息を入れる量ですね。
みんなオーバーブローしすぎだと思います。
俺の感覚では、息を入れる量は管の容積に比例すると思っています。
例えばトランペットとフリューゲルホルンを比較すると、フリューゲルホルンの方がだいぶ管の容積が大きい。
なので、フリューゲルの方が「たっぷりとした」息を入れることを心掛けています。
そうしないと、持ち替えたのにあんまり音色変わらないね、ってことになります。
で、ピッコロトランペットでは。
容積でいえば2の3乗で8倍…とまではいかないとは思いますが、相当に容積が小さい。
こんな中で、トランペットと同じように息を入れようとしても、そりゃ楽器に適した息の量じゃないと思うんですよ。
つまり、ピッコロトランペットを吹くときには、細く少ない量の息、コンパクトな演奏が必要だと思っています。
マウスピースの形状が似ているので、アンブシュアは似ているけれども、アパチュアや息の入れ方は全く別物というイメージ。
じゃあ、どんなマウスピースを選べばいいのか…?
ピッコロトランペットのマウスピース選び
ピッコロトランペット向けというと、一般的には浅いカップを使うことが普通ですね。
もっと具体的には、ヤマハ14A4aとバック7EWがド定番でしょうか。
あと室内楽向きは小さいリム、オーケストラ向きは大きめリムというイメージがあります。
まあこれまでピッコロトランペット自体ほとんど吹いたこともないので、とりあえず標準どころでしばらく吹いてみて、って感じでしょうか。
標準の中でもどれがいいのかはよくわからないので、今回はフィーリングで行くことにします。
で、調べていると見つかるのが、シルキーの11AXと14AX。
Xバックボアと言って、ピッコロトランペット専用モデルだそうです。
調べてみると、どうやら太いバックボアらしい。
んん?
ヤマハの高音域向けマウスピースには6A4aとか14A4aといった末尾aモデルがありますが、この末尾aはバックボアが細いことを意味しています。
これとXバックボアは逆なんですね。
普通はバックボアをタイトにすることで抵抗を増して、より高い息の圧力が出せるようになることで、高音域の演奏を楽にするものだと思っていました。
俺自身ビッグバンドのリードやバンドでは14A4aを使っており、その抵抗感のおかげでパワーが掛けやすいと感じています。
でも、Xバックボアはむしろボアが広い。
この理由は、トランペットのように息を入れるようにするためなんでしょうか?
ピッコロトランペットはトランペットと比較して管体が細いために抵抗がもともと強く、バックボアを広くして抵抗感を減らそうということでしょうか?
それとも、そもそもシルキーは抵抗感が少なめな楽器なんで、マウスピースも抵抗ないのが良いと思っているんでしょうか?ヤマハにはXバックボアなんてないし…
…と思っていましたが、周りの人曰く、音程感だそうです。
マウスパイプが短い楽器はバックボアの開きを早くしないと、音程が不安定になるらしい。
ほーん。
まあでも、シルキーの楽器なんだからマウスピースもシルキー定番で合わせてもええかな。
ということで、こっちも試奏の旅に出ます。
…と思ったら、友人がマウスピースを譲ってくれることに。
ピッコロトランペットを昔持ってて今は手放したけど、マウスピースはいくつか持っていて使わないので…とのこと。
シルキーもあったので、ありがたくレンタルして吹いてみることにしました。
シルキー 11AX
大きいバックボアのためか、思ったより息がしっかり入る。
楽器屋では7A4をメインで試奏していたので、それと比べるとだいぶ息が入っていく感じです。
むしろ息をしっかり入れないときれいな音が出せない。奏者の腕の問題。
リムはかなりコンパクトな感じがします。
トランペットではド定番の11B4とかよりも7A4にフィーリングが近いですかね。
11番リムって感じがしなく、もっと小さく感じます。リム形状のせいでしょうか。
あとは音程が良いですね。やっぱりXバックボアのおかげでしょうか。幅広い音域で音程の安定感があります。
音色に関していえば、コンパクトなマウスピースなのもあって上品な感じですが、バックボアも太いためどちらかというと輝かしい寄り。
シルキー 14AX
11AXと比較して、大音量で吹けます。
吹奏感もカップが大きいだけあって、かなりオープンな感じです。
ただし、音が少し開いた感じがあります。
14A4aとはやっぱり違いますね。
音程はやっぱりよいです。やはりXバックボア優秀か…
音域に問題はないんですが、持久力に問題ありですかね。
ティルツ 7EW
バックのコピーらしいです。
大学生の時に吹いた展覧会では、バックの7EWを使ったことを思い出します。
ちなみにバック7EWは定番中の定番ということもあり、これも気になるところです。
これはまず見た目からリムが分厚いですね。大きさに関しては11AXと大差ないように感じます。
持久力はありそうですが、借りたときにはそれが分かるほど吹かなかった。11AXとの比較はできず。
ちなみに音はコンパクトな感じで割と好き。
シルキーの方が輝かしく、音抜けがいい。こっちは上品な感じ。
一方でシルキーのピッコロは楽器自体が明るさが抑えられた音を持っているので、このマウスピースの組み合わせだとピッコロの輝かしさは少し物足りない感じがあります。
あと低音の音程がシルキーのマウスピースに比べて不安定だと思いました。Xバックボアってやっぱり音程に効果があるんだ、と再認識。
バック 5C
普通のコルネット用マウスピース。
音色もピッコロトランペットは異なるG管みたいな感じになるけど、これはこれで意外とあり。
ただし、音程はよろしくない。
低音が不安定かつ高音までぶら下がる感じに。
これが解決できれば使いどころによってはありかも。
ということで、結局11AXにしました。
そもそも、まだピッコロトランペットに慣れていないので、まあこれで自分がある程度吹けるようになったときに、「そこからどうなりたいか」を考えて再度選びますかね。
俺はマウスピースに関しては、基本的には2-3年は使ってみないとその良しあしがわからないタイプです。
ともかくこれでマウスピースまでそろいました。
あとは…
スタンド探し
基本的にはトランペットとの持ち替えで使うことが多いので、スタンドに立てておくことが必須ですね。
ただし、トランペット用ではベルサイズがまったく違うため、クラリネット用のスタンドが使われることが多いようです。
ド定番はK&Mのクラリネットスタンド。ピッコロトランペット用とも書いてあります。
しかしこのP7-4、4番抜き差し管がベルよりも長い形状のため、スタンドに苦労する楽器のようです。
調べても全然出てきませんでしたが、Trumpet Herald(トランペット専門の掲示板)には少し書いてありました。
そこに書かれていた限りで、解決方法は下記の4種類があるようです。
【第1候補】
高さ:156mm、重量:135g
○コンパクト、軽い。折り畳みも可。
×スタンドが小さすぎてベルが奥まで入りすぎないかが心配。その場合4番管が床にぶつかるかも?
【第2候補】
下記3点の組み合わせ
K&M/ 15224 クラリネット・ピッコロトランペット用ペグ
K&M / 17700B(各種管楽器ペグ用レッグ)
K&M 15281(ペグアダプター)
○確実に高さがあって4番管が接地することはない。家にクラリネット用のスタンドがあるので流用できる。
×コンパクトさに欠ける。
【第3候補】
いわゆるSpyderスタンドというやつです。
ただし、これは長すぎるらしく、P7-4向けではセンターシャフトを切り取る必要があるらしい。
○軽い
×加工がめんどい
【第4候補】
高い位置で楽器を保持しようと思うとハーキュレスのスタンドが出てきますね。
ただし、これもクラリネット用を買う必要があり、なおかつクラリネットだけで背の高いスタンドが販売されていないので、トランペット用スタンド+クラリネット用ペグの組み合わせが必要です。
○昔間違えて購入したフルートペグが一つ家に余ってるから、それを使える。安定感。
×たたんでもでかくて、持ち運びがめんどくさそう。むしろ楽器より大きい。
試行錯誤
結局第一候補のK&M エスクラスタンドがいちばん良かったです。
ちょっと足が短いので、蹴られたりしたときに倒れやすい…かも?
まあ普通に使う分には問題ありません。
縁のフェルトの部分でベルを支持しているような感じです。
思った通りちゃんと高さがあるため、4番管をこれぐらい伸ばしても接地することはありません。
たたむとコンパクトになるし、これが一番良いですね。
スパイダーは...やっぱりそのままだと長そう。
パッと刺すと立つんですが...
やっぱベルでは保持してないですね。
ちなみにもちろんK&Mのクラリネットスタンドは高さがあわず。
4番管が地面についちゃうので使えません。
しかも保持部分も少し太くて、ちょっときつめ。
やはりエスクラ用スタンドが一番です!
みんなはどんなの使ってるのかなあ。
演奏編
ピッコロトランペットで吹いてみたい曲、これから練習しようと思っている曲を書き留めておこうと思います。
ピッコロトランペットを持ったら吹いてみたい曲って意外とたくさんあるんですよねー
今までずっと聴いてきているけど、楽器がなくて(思うように)吹けない曲ばかり…
バッハ ブランデンブルク協奏曲第2番
トランペット吹きなら知らない人はいない超有名曲ですね。
タンギングが大変そうで、高音でたくさん動くこの感じは、まさにピッコロトランペット向け、という曲です。
リコーダーとチェンバロと合わせる曲なんで、やる機会があるとは思いませんが、練習したい曲。
最高音ハイF。
そしてこういうのはいつかナチュラル管でも吹いてみたいものです。
そのためにこっそりB管でも練習しておく。
テレマン トランペット協奏曲
バロックのピッコロトランペット(ナチュラル管)の協奏曲なら一番有名なんじゃないでしょうか?
バロックのテレマン、古典のハイドンという印象。(ロマン派以降ならアルチュニアン??)
特に1楽章アダージョは、ピッコロトランペットの課題練習曲としては再有名なんじゃないでしょうか。しらんけど。
最高音ハイE。
タルティーニ トランペット協奏曲
ピッコロトランペットの協奏曲ではテレマンと押しも押されぬメジャー曲。
最高音ハイD。
バッハ バディネリ
エムパイヤブラスがやっていてすごく好きだった。これはカナディアンブラスですけど(笑)
ピッコロトランペットを買ったのは、こういう曲を軽やかに吹くためといっても過言ではない。
キラキラ感があるけど短調ってのがいいですね。
ピッコロの曲で短調ってあまりみない気がします。
最高音ハイD。
ハイドン(弟) トランペット協奏曲
最高音ハイA(!)
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの実弟であるミヒャエル・ハイドンの協奏曲。
Michael Haydn: Trumpet Concerto (Maurice André, trumpet) I
Wikipediaにも「当時の作品に例を見ない実音3点Aを要求されることで知られる」との注釈が。
兄ハイドンはあんなにいいコンチェルトを書くのに、弟はなんでこんな曲を…
いや、いい曲なんですけどね、音域がね。
モーリスアンドレでさえヒョロヒョロした音になってしまっている…
ピッコロでもしんどい音域ですが、ハイノートヒッター(笑)としてマスターしておきたいところ。
ライヒェ ファンファーレ
曲のタイトルはあるのかないのかよくわかりませんが、アップブラーゼン(Abblasen)とも言われます。
Wynton Marsalis recording "Abblasen" for CBS Sunday Morning
海外ではCBSニュースサンデーモーニングのテーマとして知られるようです。
短くてコピーしやすい。なんならC管でいけるか(笑)
でもみんなピッコロで吹いているので、おさえておきたいところ。最高音ハイD。
モーツァルト 魔笛より夜の女王のアリア
W. A. Mozart - Queen of the Night (Magic Flute)
メロディーが有名なんで一度は吹きたい曲。
最高音ハイF。
ビートルズ ペニーレイン
クラシックではないですが、ピッコロトランペットが世界で一番有名な曲ではないでしょうか。
これもA管で吹くのが普通ですね。
カナディアンブラスのこれもよき。最高音ハイE
Penny Lane - Canadian Brass LIVE at UNT - 2019
バッハ 協奏曲ニ長調 BWV972 ヴィヴァルディの協奏曲に基づく協奏曲
バッハオリジナルじゃなくてヴィヴァルディの曲をバッハがアレンジしてます。
原曲は聞いたことないし、こっちの方が有名なんじゃないでしょうか。
ピッコロトランペット2本の曲。いつかアンサンブルでやってみたいなあ。一緒にやってくれる人いるかな(笑)
最高音ハイE。
Bach BWV 972 after Vivaldi Violin Concerto RV 230
ピッコロトランペット購入記2 ~葛藤・購入編~
前回の続き
シルキーのピッコロトランペットを吹いた瞬間、恋に落ちました。
あの感じが忘れられない…
欲しいけど…
とはいえ、何といってもシルキーのピッコロは高い!
新品で70-100万円といったところでしょうか。
お高いゴールドよりも安価なシルバーの方が好みでしたが、それでも高くて手が出ない…
半年前にロータリートランペット買ったばかりだし、正直資金は潤沢ではない。
でも欲しい…
正直妥協してBrasspire Unicornを買うことも考えました。
だって何度も書いてますが、ピッコロトランペット自体そんなに出番ないんですよきっと。
だったらいつも吹いててボロボロのB管を買い替えるべきでは?
そこで友人からひと言。
楽器を持っている人には、オファー(出番)が来やすくなるよ。
だから、楽器を買えば出番は増えるよ。
むむ、確かに。
別の友人からもひと言。
ピッコロトランペットは「特殊」管だから、どうしても高くなるんだよ。B管よりも出番ないけど、高価になるのは普通のこと。
た、確かに…
そして自分の中で考えたのは…
どうせ安いのを買っても、後から買い替えるぐらいなら最初から後悔しない選択をした方が良いのでは…
しかし何よりシルキーのピッコロは高い!
でも欲しい…
でも…
堂々巡り。
とりあえず、悶々としながらも安価に手に入れられる方法を考えます。
となると、まず探すのは中古。
ちょうど友人の友人がP5-4BGを売りたがっている、との話を受けて、詳しく聞いてみます。
ちなみにP5-4”BG”というのは、1,3番管にフィンガーフックが付いたモデル。
バトラーさんとガイヤーさんが考えたからBGとのことですが、そんなフックあっても使うのかね。
1番管とか短すぎて抜けなそうじゃんね!
トランペットの2番管ぐらいの長さだぜ!?
閑話休題。
話を聞いてみると、ケース等ついて〇十万円とのこと。
約半額ですが、ほとんど新品同様とのこともありかなりの割安感。
これにしよう!と考えていたのですが、同時にヤフオク、メルカリ、海外通販、eBayもチェック。
するとですね、意外とeBayにシルキーのピッコロがいくつか出てくるんですよ。
結論から言うと…eBayで購入しました。
eBayでピッコロトランペットを購入する
eBayはメルカリ形式の「固定金額、値段交渉あり」とヤフオク形式の「期間内の入札」の商品があります。
ショップが出してる新品はメルカリ形式が多いですが、中古品はヤフオク形式が多い。
ちなみに、出品国は様々です。
シルキーも含めた中古品のほとんどはアメリカでしたが、安価な新品ピッコロは中国が多い。またヤマハの中古ピッコロは日本。
eBayはそれらの国すべて並行で検索をかけられるので便利ですね。
俺が見たときは、めぼしい楽器がヤフオク形式で2品出品されていました。
- P5-4BG-SPの美品中古。個人(コレクター)が整理のため出品。スタート32万ぐらい。
- P7-4-SPの新品。楽器屋の展示品。スタート29万ぐらい。
いずれもかなりお得感があり、中古でもこの値段で買えるのは稀なぐらい安い。日本の中古市場は40万~ぐらい。
またP5-4BGは他にもいくつか中古品が出品されていましたが、程度の良さ、価格からみてこれが一番でした。一方P7-4は中古の出品はなし。
アメリカではP7-4の人気がないのかも?あるいは、単に発売が新しいから市場の量が少ないだけかも?
まあその辺はわかりませんが、このいずれかがこの入札開始価格ちょいぐらいで購入できたらイイな、ということで入札していきます。
ところで、アメリカのeBayを使うに当たっては、GIXENとOPASがほぼ必須です。
本筋とは関係ありませんが、eBayでの買い物記録として、一応備忘録的に書き残しておきますか。
GIXEN
eBayはヤフオクと同じで自動入札制であり、その時点で一番高い入札額(あるいはスタート額)のちょい上に自動で入札してくれる機能があります。
なので、「この辺までなら出せるかな」というところを設定して入札するのはヤフオクと勝手が同じ。
ですが、ヤフオクとぜんぜん違うところとして、自動延長機能がありません。
ヤフオクでは終了数分前以降に入札が入ると、終了時間が自動で延長するため、入札合戦が続く限りオークションが終了しません。争いが激しければ途中で降りてもいいし、最後まで入札を続けることもできます。
しかしeBayにはこれがない。終了の時間できっぱり終わります。
そのため、多くの人は入札を自動で行えるサービスを利用して、終了の6秒前に入札してきます。
それがGIXEN。
いわゆる「スナイプ入札」と呼ばれるもので、終了6秒前にガツンと同時入札が起こり、その中で最も高い額を入れた人が落札する仕組みです。
登録すれば無料で簡単に使えるものですが、あるとないとでは大違い。
使い方はネットでいくらでも説明されてるので、これ以上の説明はしません。
OPAS
それからeBayにありがちなのが、「アメリカ国内しか送りませんよ!」というもの。
特に個人の中古品に多い。
そこに「日本に送ってほしいんだけど…」といっても無理なものは無理です。
そこでOPAS。
無料でアメリカの住所を手に入れることができます。
そこに送ったものを転送してくれるサービスです。
他にもたくさんそういうサービスあるみたいだけど、安くて日本語で簡単にできそうだったのでこれを選びました。
これはアカウント持っておけば、eBay以外でも海外通販で使えるかも。
本題に戻ります。
上記のGIXENを使ったスナイプ入札を利用して、P5-4BGとP7-4を狙いに行きます。
どっちも終了数日前にして入札は0件。
お気に入り登録者数は十数人。
ここでまた一つの悩みが。
どちらかというとP5-4の方が好み。でもP5-4は少し高い、中古。一方P7-4の方が安い、新品。
そしてP7-4の方が早くに期限を迎える。P5-4は3日後。
P7-4を落札して、P5-4も買うわけにはいかんよなあ…
そこで、P7-4は「もし落札できてしまえばこっちでいいか」と思えるぐらいの低めの額で入札かけることにしました。
最低額+10ドルぐらい。最低額入札の人に勝てればまあ…ぐらいに考えていたんですが。
なんと!
入札俺だけでした!
終わってみると入札は俺の1件。結局最低額での入札。
あれ、買えちゃったよ…
予想外です。
むしろ不安になるレベル。
だって新品だよ?日本の半額以下だよ?偽物じゃないの?詐欺とか?
でもセラーは15年続く実際の楽器屋で、評価も4000件全部がポジティブ。
うん、きっと大丈夫。
そしてP5-4はあきらめよう。
サクッとクレカで支払いを済ませ、続いて配送処理に移ります。
ちなみに前回はですね、ドイツの楽器屋から直接郵便で送ってもらっています。
今回はeBayのセラーがアメリカ国内のみ(送料無料で)送る、とのことで、早速OPASを活用します。
eBayの送付先に、OPASのマイページにあるアメリカの住所と電話番号を入れて、名前は自分名義で発送します。
ちなみに、eBayのセラーからOPASはUPS(アメリカの郵便)で送られました。
ペンシルバニアからオレゴンへの、中等部から西海岸と長旅だったので、かかったのは6日間。
OPASに到着したのち、日本へ発送する前に、各社配送の見積もり依頼をします。
普通に配送依頼ボタンをポチっと押して、一晩待つだけです。今回はモノがモノなので保険ありで。
あれ、郵便もクロネコヤマトもない…
UPSかFedExが選べるようだったので、今回は最も安価なFedExを使うことにします。
それでも3万円弱…高い。郵便なら1万ぐらいで行けるのでしょうか。わからんが。
ところで、郵便の場合は以前書いたように、課税価格が20万円を超える場合は自分で通関手続きを行う必要があります。
しかし、今回の宅急便の場合、通関手続きを業者が代行してくれます。代行も特に手数料はかからないため、こちらの手間はだいぶ楽になりますね。
ちなみにOPASに到着の連絡を受けて、すぐに見積もりをして、翌日に発送依頼をしたら即日で発送してました。
早いですねー。
その4日後。
フェデックスから電話が。
今朝楽器が日本につきました、と。
さすが早い!!
今回は輸入の際に(個人輸入なので商品価格の60%にかかる)消費税のみが発生し、楽器なので関税は発生しない。
でもって、その金額が15,000円を超えているので、前払いが必要です、とのこと。
前払いには「電話口でのクレジットカード決済」「銀行振込」「FedExアカウントでのカード決済」ができますよ、とのこと。
すこし心配でしたが、金額もあっていそうで詐欺とかではなさそうなので、電話口でカード番号を伝えて即決済してもらいました。
でもって、成田からはセイノースーパーエクスプレスに引き継がれます。
一応届けてほしい日時「水曜の6時ごろ」をFedExのカスタマーサポートに伝えたところ、配送の時間指定も受けてくれました。
その日は会社を定時に上がり、家でいい子にして待つこと1時間…
ピンポーン
キタアアアアアアアアア!!!
どーん!
箱はまさかのヤマハのトランペットケース(笑)
YTR-300ADSってのは日本には出回ってない型番ですね。
その中には…
また箱かよ!!
あ、でも今度はシルキーの箱。
その箱を開けると、更にプチプチにぐるんぐるんにまかれたものが。
じゃあああん!
P7ちゃんです!
まるっこくてかわいい!
当初は見た目はP5-4の方がいいなあ、と思っていましたが、意外と見ていると愛着がわいてくるものです。
1番管は短い!
ていうかピッタリハマりすぎていて、吹きながら抜ける気がしません。
ぐりぐりしてようやく外せる感じ。
これ、使えるの…?
3番管はコツがいりますが、何とか演奏でも使えそうな動き。
そしてめっちゃ長い4番管(笑)
なんなのこれ…倍ぐらいになってんじゃん…
どれぐらいまで抜いて使うもんなんですかね。
そして、いざ吹こう!となると…
コルネットシャンク向けのマウスピースがない…
はやくふきたいよう…
水曜日に受け取ってから、週末までピッコロを眺めて過ごしました。
ちなみにオイル・グリスがついてました。
あ、もちろんP7-4なのでA管も標準で付属です。
次回演奏編ではマウスピース選びから書きます。
さあ、どうなるか!
あ、一応FedExの履歴はっとこ。
参考までに。
ピッコロトランペット購入記1 ~探索編~
なんか最近楽器買ってばっかりですね…
なんだかんだ楽器購入記第3弾になっちゃいました(笑)
今回も書いているうちに長くなってしまったので、3つに分けることにしました。
まずは探索編です。
ピッコロトランペットが欲しいかも
最近いろんなピッコロトランペット欲しい欲が湧く出来事がありました。
一つ目。
昨年後半からアンサンブル団体に誘われて、この1月に金管アンサンブルだけの演奏会に出ました。
そこではトランペットが合計6人いたんですが、うち4人がピッコロトランペットを持ってる…
いろんな曲でピッコロ吹いてて、楽しそうだな、と思いました。
二つ目。
それから以前書いた通り、最近ハイノートの練習をしています。
高い音域については、まだまだ細かい動きが課題と感じています。
ピッコロトランペットを使って高い音域を自由に演奏して、高い音域の感覚やコンパクトな吹き方を磨くことで、もっと自分は成長できる、と思いました。
三つ目。
一番の決め手は、9月の演奏会で使う予定ができた、ということです。
吹奏楽でスターウォーズを演奏することになったんですが、その編曲で2本以上ピッコロトランペットが必要なんです。
楽団には昔から先輩の私物(もはや団所有?)が1本あるが、1本足りない。
借りることもできるけど…
ということで、漠然と「ピッコロ欲しいなー」と思ってました。
そして一度「欲しい」と思い始めると止まらなくなるのが俺の性格。
いったん欲しいと思い始めると、これでもかというぐらい調べて、頭の中がそれいっぱいになってしまう。
自分の悪いところでもあり、いいところでもあるとは思うんですが。
調べ始めるうちに欲しい気持ちが大きくなっていき、とうとう買ってしまいましたとさ。
これはそんな自分がピッコロトランペットの購入に至るまでの手記。
予算決め
まずは予算から考えます。大体買えるものも決まってくるし。
ピッコロトランペットだけでなく、特殊管って基本高額なんですよね。
普通のB管と比較して材料費は安く済むはずなのに、1.5倍ぐらいの値段することも多い。
生産量の少ない製品の常でもありますが、これが悩みの種。
だって、出番が少ないんだもん。
オーケストラだって展覧会とか春祭をやらないとピッコロトランペットのパートがないし、吹奏楽だって華麗なる舞曲とか、稀にしかピッコロトランペットの出番がない。
金管10重奏とかの比較的大編成のアンサンブルには書かれてること多いけど、アンサンブルの機会が少ない。
バロックとかもやってみたいけど、その出番もありそうにない。
そこにいくら出しますか?って話ですよ。
B管買うより多くの金があるなら、出番の多いB管買えば?ってなりますよね。
バックのB管を20万で買って、ほとんど使わないピッコロトランペットが40万っておかしくない?
なので、B管よりも安く、10万円ぐらいの安いやつが使い物になればいいかな、と思って探すことにしました。
しかし心のどこかでは「中途半端なものを買ってどうせ買い替えるぐらいならいっそ…」という気持ちもある。
この悩みがまたつらく、楽しいんですが。
ピッコロトランペットのタイプ
予算の次に、タイプで絞り込んで探していきたいところです。
調べていくと、オケや吹奏楽のような大編成向きと、室内楽やアンサンブルのような小編成向きに楽器のタイプが分かれてくるようです。
自分がどっちメインで使うかと聞かれれば、まだ正直分かりません。
なので、「一番普通のやつを買う」ってスタンスでいくことにします。中庸なモデルがいい。
ピッコロのタイプといえば、下記が考えられるのでしょうか。
「ピストン or ロータリー」
当然ピストンの方がメジャー。ロータリーは音が柔らかく、室内楽向きともいわれる。
まあここはメジャーなピストンかな。
そもそもロータリーは以前書いたように、ピストンよりも高価で予算オーバーの可能性も…
「ロング or ショート」
ロングの方がメジャーと思われるが、結構微妙なライン。
「トランペットシャンク or コルネットシャンク」
これは調べても違いがよくわからなかった。
どっちがメジャーかもわからん。
まあコルネット持ってないし、トランペットシャンクの方が便利かな?
結局、どのタイプが普通なのかがよくわかりませんでした。強いて言うならピストンのロングタイプにするかなーという感じ。あとはトランペットシャンクかな?
ということで、まあ試奏してみて良さそうなのあれば買おうかなー、んー、とりあえず調べるだけね…ぐらいのゆるーい感じで探索スタートです!
試奏の旅へ…
ピッコロトランペットは吹いたことはありますが、とりあえず楽器屋さんで吹かせてもらい、どんなものがあるのかを見ていくことにしました。
YAMAHA YTR-6810S
ヤマハの廉価モデル。ショートタイプです。
アマチュアの「ド定番」というイメージがあるので、まずは基準をここに定めます。
トランペットシャンク14A4aで試奏。音程が安定していると感じます。
大学のサークルに昔からある先輩の私物がこれで、今まで「展覧会の絵」「華麗なる舞曲」をこれで吹いたことがあり、よく知った楽器。
新品で買うと17万ぐらいかな?友人が中古品を安く譲ってくれそうで、最初はこれが第一候補でした。
まあこの程度の音が出れば十分かなー、ヤマハでメーカーとしても信頼感があるし、という感じです。ピッコロトランペットは特に音程に難ありらしいので、これだけ整ってれば及第点、と思いました。
音色はまあ、可もなく不可もなし、というところ。正直言って魅力的ではないけど、特殊楽器なんてそんなもんかなー、と思ってました(この時は…)。
Carol Brass N7775 SP
台湾に工場を持つホクソン楽器のブランド。最近人気のZorroとか、下倉楽器のマルカートもここがOEM先です。
ロングタイプはやっぱりカッコいいですね。ピッコロトランペットはこっちのイメージがあります。
マウスピースはコルネットシャンク7A4、トランペットシャンク14A4aで試奏。
音程は悪くない。音質も意外と健闘していると思います。
B管・A管、コルネット・トランペットシャンクのマウスパイプが合計4本付きで17万程度とコスパが良いと思いました。
3番抜き差し管にトリガーがついているのもありがたいですね。
ただ、右手小指のフックがついてるとなおよかったと思います。
あと吹いてみて思ったのが、コルネットシャンクの方が音が好みだということ。
トランペットシャンクは音がオープンになりがちで、イメージするコンパクトなサウンドとは離れていて張りのある、いうならB管っぽい音になると思いました。コルネットシャンクの方が上品な華やかさがあると感じました。
Brasspire Unicorn BPTRP-1200S
かの激安管楽器メーカー、J. Michaelを製造するマックコーポレーションの中級ラインです。
こちらもCarol Brassと同じくロングタイプですが、今度は3番抜き差し管にトリガーがなく、右手小指のフックがありとCarol Brassとは指かけの有り無しが逆の構成。
J.Michaelというと、激安のトランペットの形をした金属の塊を売っている、というお世辞にも良いとは言えない印象があります。これもどうせ…と思い吹いてみると、意外や意外、音がよい。同じメーカーとは思えません。ちなみにマウスピースはコルネットシャンク7A4。音程感はCaroll Brassに近いが、音質の豊かさはこっちのほうが若干良いように感じます。この違いは、Caroll Brassが黄ベルなのに対してこっちが赤ベルな事だと思います。オープンさがなくなって柔らかい、より上品な音、という感じですかね。
ちなみにB管A管マウスパイプ付きで11万ぐらい。破格のコスパです。コルネットシャンクでトランペットシャンクはついてませんが、コルネットシャンクで使いたいと思っていたので、気になりません。
正直ここまででYAMAHA< Carol Brass< Brasspire Unicorn。
値段と好みが反比例(笑)
もうBrasspire Unicornでいいかなーと思いつつも、一応、買う前に経験として予算外のお高いのも試しておきますかね…という感じでその他も吹きました。
YAMAHA YTR-9835
音程がとてもよい。音質もBrasspire Unicornに比べたら豊かな鳴りで、さすがトップモデル、と思います。黄ベルらしい輝かしい鳴りがありつつも、音が薄くならずに豊かさも持ち合わせている、みたいな。
ただし、コスパ考えちゃうとこれに40万は払えないなーと思いました。
それだけBrasspire Unicornのコスパが素晴らしいということで、ヤマハが悪いというわけではないのですが。
Schilke P5-4
P5-4はまさに世界標準といえるピッコロです。市場のシェア獲得率はおそらく半分以上。
名だたるプロはみんなもってるんじゃないでしょうか。
1971年に発売されて以来、アドルフハーセス、フィリップスミス、ウィントンマルサリス、モーリスアンドレも使っている。もう市場占有率は圧倒的というほかないですね。
ただし、価格も世界のプロが使うだけあって、高い。
シルバーで70万ぐらい。ゴールドなら100万。まあ完全に予算外。ブラスパイア6本買える(笑)
でもまあここは世界標準だし、一応押さえておかないとなという気持ちで試奏。ちなみにマウスピースはコルネットシャンク7A4。
!!!
やばい、全然違う。
吹いた瞬間一発で恋に落ちてしまいました。
さすがの音質。倍音がすごくたくさん入ってる。金属的な痛さがなく芯の通った音。CDで聞いてきたのと同じ、思い描いたピッコロトランペットの音が出ます。
ああ、これだったのかあ、という感じ。音程もばっちり。
やっぱり「ベリリウムベル」がいいんでしょうか。
シルキーのトランペットのオプションモデルであり、シルキーのピッコロトランペットには標準装備のベルです。
昔はベリリウムが微量入っていたことからこの名がついたそうですが、今は薄いコパーベルのことです。
赤ベルよりもさらに密度の高い純銅を使うことで、高次の余計な倍音がカットされて、その分心地よいとこの倍音が多くなり、音に豊かさが出る。
かつ肉薄にすることで、音の軽さ、明るさを損なわない。
こうして考えると理に適ってますよね。
加工が難しく、またへこみやすい(修理しにくい?)のが問題らしいですが。
世界標準といわれるだけのクオリティがあるのはよくわかります。
これを吹いてしまうと、今まで吹いてきた楽器の音がすごく味気ないように感じてしまいます。
なんだろう、クラフトビールとビール系飲料のような。
なんでこれを吹いてしまったんだろう、他の楽器と比べてしまったんだろう…という後悔があります。
天上の甘露を味わってしまうと、もう忘れらない、戻れない。
ていうか、世界標準なんて言われるぐらいなら、むしろこれがあなたの買うべき「究極の普通の選択肢」では…?
と心の悪魔がささやきます。
そのたびに「予算外でしょ!」と心の天使と葛藤が…
あ、ちなみにSPとGP両方試奏しましたが、俺はSPの方が音が明るくて好みでした。
Schilke P7-4
こちらはシルキーP5-4と双璧をなすショートタイプのモデルです。
こっちも比較として試奏することに。
2007年発売と比較的新しいモデルで、楽器屋の店員曰く最近はP5-4より売れてますよーとのこと。
その違いについては、パイパーズより、高橋敦氏と田中敏雄氏の対談から抜粋。
─ピッコロトランペットもシルキーをお使いですか?
高橋 僕は新しいP7―4と、前からあるP5―4の両方を使っています。
田中 僕も(笑)。
高橋 P5―4は華やかな音でオーケストラやブラスアンサンブルにふさわしく、P7―4はバッハなどのバロックや室内楽などにぴったりですね。
田中 まったく一緒ですね。ペトルーシュカやボレロなどオケでピッコロを使うとなるとP5―4、その方が音が立つというか強くなる。P5―4はオケのサウンドの上に楽に乗っかれるので、とても楽に吹けます。逆にソロとかバッハのカンタータなどでは、より音が柔らかいP7―4を使っています。
ちなみに俺の友人曰く「どっちかを買ったらもう片方も絶対欲しくなる」との評。
どっちもいい楽器で優劣つけ難いってことでしょうか。
マウスピースはコルネットシャンク11AXで試奏。
P5-4とは別の日に別の店で吹いたし、マウスピースも違ったので正直に言うと明確な差はわからず。
こっちの方がオープンに感じるんだけど、マウスピース違ったからじゃないかなあ。
管が湾曲している分柔らかい音色、とかはわかりませんでした。
しかし変わらずシルキーの素晴らしい音色はよくわかる。たまらん。
見た目はなんかカワイイけど不格好というか…スタンドに置けないのも面倒くさそう。
主に見た目でP5-4の方が好み。
音は比較できなかったけど、正直シルキーはどっちもシルキーの音がしたので、音は両方好み。
ハンス・クロマト ピッコロトランペット(型番不明)
これは友人に吹かせてもらいました。トランペットシャンクのみ、14A4aで演奏。
この時はもうシルキーにご執心だったため、正直あんまり記憶にない…(笑)
ヤマハのYTR-9835に似てるかなあ、やっぱりシルキーだなーと思った記憶しかない。
値段も同じぐらいなのかな?確か40万ぐらいって言ってたような。
シルキーがなくて金があれば、YTR-9835とこれで選ぼうとしてたかも。
番外編
Schagerl Model Berlin
さすがのシャーゲル。
ロータリーの音色の豊潤な柔らかさ、見た目の美しさはすごいですね。
ただしトランペットシャンクしかばいのが玉に瑕。
ロータリーピッコロ、もといヨーロッパ圏はトランペットシャンクが普通のようで、コルネットシャンクはあまりないそう。
音は柔らかくていいんですけどねー、コルネットシャンクの音の柔らかさが好きなんですよねー。
ロータリーの方は暖かい音色、という感じで、シルキーは明るいけど上品な音色、という感じ。
でもバロックとか吹くならシルキーに負けず劣らずこっちもありだと思います。
Willenberg Modell “DAH”
縦で持てるロータリー。ガンシュホーンみたいで珍しいです。
ストロークがピストンの半分ぐらいの感覚で、押したらすぐに音が変わります。
トリルがしやすいロータリーピッコロ、という触れ込みみたいですね。
ロータリーなだけあって、音の切り替わり自体もスムーズ。
音色もやはりロータリーらしい、柔らかめの音色でした。
ただし音程感が微妙。特に4番に問題ありで、自分が吹いた楽器は管を全入れしても1+3番管に比べてまだ少し低い感じでした。
他にもストンビとかセルマーがメジャーどころで、試奏すべきとも思いましたが、楽器屋においてあるのを見つけられず…
ていうか、その予算があるならシルキー!それか当初の予算通りでブラスパイア、の二択に絞られていました。
そしてここから、予算や自分の気持ちと闘いながら購入に向かっていきます。
次回、葛藤・購入編。
ハイノートヒッターになった日
2019年12月21日、俺はハイノートヒッターになりました。
これまでの変遷
昔から高い音は得意な方だったのではないかと思います。
ご多分に漏れず、昔から高い音に憧れ、練習を重ねてきたクチです。
中学1年生で楽器を始めて、中学2年生で初めてハイベーがでて喜びました。
中学3年生ではスランプに陥って音がほとんど出なくなりましたが、試行錯誤の結果スランプを抜けた高校2年生ではいっきにハイFぐらいまでが出るようになりました。
高2の定演のソロではハイEがそれなりにちゃんと出て(4分音符ぐらいの短さですが…)、以来少しずーつ伸ばしてきています。
しかし、そこから10年ぐらいは大きくは伸びず、ハイG止まりでした。
吹奏楽では有名なルパン3世のテーマを大学3年でやって、まあ満足していたのがあります。
少しづつ確実に高い音が確実に当てられるようにはなっていきますが、もっと高い音は出ず。
というか、チャレンジしてませんでした。必要ないし。
しかし入っているビッグバンドで2018年にリードトランぺッターに任命されて、少し考え方が変わりました。
ビッグバンドのリードトランペットってハイFやハイGぐらいまではわりと出てくることあるんですよね。
この辺の音域を確実に当てようと思うと、最高音がハイGでは駄目だな、と。
トランペット吹きならわかることですが、「楽に出せる音域」「頑張ればいつでも当てられる音域」「調子が良ければ当たる音域」「絞りだせば出るが曲では使えない(音楽的ではない)音域」は人それぞれ違うんですよ。
それぞれの音域の「最高音」も当然異なるわけですが、「最高音」の定義もまちまちなんですよね。
ちなみに俺は曲で使えることが最低限必要だと思っているので、「調子が良ければ当たる音域」の最高音を「自分が出せる最高音」と呼んでます。
これまでは高校生でハイGは「絞りだせば出るが曲では使えない音域」で、大学生から2018年まで「調子が良ければ当たる音域」。
もっと高音を伸ばして、立派なリードトランぺッターになるぞ!と思いました。
そのためには、ハイノートヒッターになりたい!と改めて思うように。
ハイノートヒッターの定義
ところで、ハイノートヒッターって何なんですかね。
中学生でエリック宮城を知って憧れ、大学でファーガソンのコピーにこっそりチャレンジしてきました。
彼らはまごうことなきハイノートヒッターです。
俺も「高い音がよく出るね」と言われてきましたが、俺はハイノートヒッターというほどではない、とも思う。
じゃあハイノートヒッターって何?となるわけですよ。
ダブルハイBが出ること?もっと高い音まで出ないとダメ?
それとも「Gonna Fly Now」が吹ければいいの?
わからん。
となると、まずは調べてみますよね。
「ハイノートヒッター 定義」でググる。
いやあ、全然出てこない。
で、唯一出てきたのがこれ。
”ハイノート・ヒッター”の定義、私的には曲のラストにin B♭で”ダブル・ハイ・ド”(世間一般的に「ダブル・ハイC(実音でいうところのダブル・ハイ・ベー)」)をロングトーンで決められるプレーヤーの称号だと思ってよいと思います。
アマチュアの方のホームページですが、すごく明確で、しっくりきました。
これをさらに具体的にして、ハイノートヒッターの定義を俺の中で下記に決めました。
「ライブステージの最後の曲のラストノートでダブルハイBをフォルテでロングトーンできる人」
かなり限定されました。
こうなると、目標がしっかり定まるわけです。
大体2年かけてハイノートヒッターになることを目標に立て、2018年から目指し始めました。
ハイノートヒッターへの道のり
まずは2018年の俺、現状分析と課題の洗い出しですね。
ダブルハイBをフォルテでロングトーンできるようにならないといけない。
そのためには、「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音がダブルハイB以上になっていること。
現状は「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音がハイF。
ちなみに「絞りだせば出るが曲では使えない音域」の最高音がハイAs。
そしてもちろん、ライブステージの最後の曲のラストノートまで体力が持たないといけない。
そのためには、普通に出てくるハイFぐらいまでは「楽に出せる音域」にないといけない。
現状は「楽に出せる音域」の最高音はハイBの下のGぐらい。
よって課題を下の二つに絞ってアプローチしていきました。
- 課題1:「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音を伸ばす(ダブルハイB以上まで)
- 課題2:「楽に出せる音域」の最高音を伸ばす(ハイFぐらいまで)
上記は連動していることも多く、片方を伸ばすともう片方もついてくるのは往々にしてあることです。とはいえアプローチは少し異なると思っているため、別々に考えることにしました。
課題1:「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音を伸ばす
「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音を伸ばす前に、そもそも「絞りだせば出るが曲では使えない音域」の最高音がハイAsでダブルハイBなんかかすりもしてないわけですよ。まあ1音分ですが。
なのでまずは、自分の絞りだしてでも出せる音域の拡充からです。
俺が思うに、ハイノートヒッターが出すような高い音を出せないのって、なかなかその音をイメージできないことが最も大きな問題だと思うんですよね。
その音を出している自分を想像できないというか。
あきらめの気持ちがあるというか。
なので、その音を出せるイメージを作るのが一番大事だと思っています。
「あ、意外といけるんじゃね?」って思えるようになりたい。
そのために一番いいのは、自分の出したい音をたくさん聞くことだと思いました。
そして始まるYoutube巡り。
いろいろ観ていると思うのが、ダブルハイBって意外とみんな使ってないんだな…ってこと。
エリック宮城とかあまりそこまで吹いている動画はないし、ファーガソンのダブルハイBはカスカスしてるし、意外とプロでもちゃんとダブルハイBって使わないのかな…
と思いきや。
その中で見つけたのがこれ。
Wayne Bergeron - O Holy Night Solo Part - The Tom Kubis Big Band
これが俺のウェイン・バージェロンとの出会いです。
普通の静かなクリスマスソングかと思って聞いていると、後半音が高くなって、さらにはラストノートがダブルハイCロングトーンなんですよ。
何がすごいかって、その音の高さを全然感じさせない音色です。
え、トランペットってこういう音も出るのか!って感じ。
そして聴きまくるとだんだん、自分にもできないこたぁないよな、と思えるようになってきました。
ところで、ウェイン・バージェロンこれ以来好きになってしまって、今では自分の目標とするプレーヤーの4人目に入るまでになりました。
他の動画を見ても思いますが、この人すごい。ディスコグラフィもすごい。この人のホームページ見てほしい。
このへんは別途改めて日記に残しておきたい!
閑話休題。
さて、練習では、この曲をコピーして、この音をイメージして、エイヤ!!ってのを繰り返すことで最高音を伸ばす訓練をしました。
もちろん、毎回アンブシュア・息の入れ方・舌の位置・体の力の入れ具合なんかを試行錯誤しながら。
一日に何度もやるわけじゃないですが、毎回目を閉じて1分間ぐらいでイメージを固めて、それからトライ!というのを繰り返しました。
こんな感じ(笑)
楽器を吹くというより、イメトレが中心ですかね。
イメージを固めるのが練習の中心で、その確認が「エイヤ!」って感じ。
だんだん伸ばしていこうとは特に思ってませんでした。
最初はもちろんできなかったのですが、3か月ぐらいやってるとたまにかするようになってきます。
「絞りだせば出るが曲では使えない音域」が伸びるわけです。
一度出るようになれば一気にイメージができるようになるし、こっちのもの。
その音を一日一度とは言わず何度も使っていくことで、体に慣れさせていきます。
その過程で一番参考になったのが、アダム・ラッパのこの動画。
Want EASIER High Notes? Here's The Answer.
めっちゃ楽そうに出してますよね。
息の量が少ないのが重要ポイントみたいです。
これを見るまでは結構パワーで押し込んでダブルハイBを吹いていましたが、この動画を見てからは結構スムーズに吹けるようになりました。
小さい息でシュッと吹くというのかな、まあ、コツを掴んだってことですかね。
こればかりは言語化できんな。
調子に関係なく出せるぐらいにはなりました。
課題2:「楽に出せる音域」の最高音を伸ばす
高い音を楽に出すためには、より効率的に唇を振動させる必要があると思っています。
そのためには、小さい音の練習とリップスラーの練習が効果的だと思っています。
小さい音の練習は、より少ない息でも反応する効率の良いアンブシュアを作ることが目的です。
pppでの練習を最初は取り入れました。
ノーアタックでpppのロングトーン。
そーっと吹いて、力づくで音を出そうとしない練習を心掛けました。
これで高い音を出すのは難しいけど、確実に効果があります。
途中からはウィスパートーンも取り入れるようになりました。
海外のプロはやってるみたいな情報がネット上にあったような。
ウィスパートーンというのは、息を入れて、音にならないけど音程が分かるぐらいの状態のことで、これを保つ練習をしました。
pppの練習と目的は近いと思いますが、より効果的に思いました。
参考動画はこんな感じ。実際はマイクがないので息の音がメインで、実際の音成分は少ない感じです。
Practicing Whisper Tones by Charlie Porter
ロングトーンよりタンギングした方が分かりやすい気もします。アタック後の一瞬だけ音程が分かる感じがあります。
それで簡単な曲を吹いて(?)みるとかやりました。
慣れてくると、少しずつこれでも高い音(音になってないけど)が出るようになってきます。
次第に唇が繊細になってくるのが分かります。
普通の音量を出すときも、どんどん効率的に息が使えるようになります。
入れた息が音になる変換効率が上がる感じ。
説明が難しいけど。
それからリップスラーの練習もしました。
こっちの目的は高い音を低い音を吹くのと同じように力を抜いて吹けるようにすることです。
特に意識したのは、レンジの広いリップスラー。
2オクターブ以上、上下を2往復以上することを基本でやっています。
具体的な方法は、4分音符で「ローB~ミドルB~ハイB~ミドルB~ローB~ミドルB~ハイB~ミドルB~ローB~」みたいな感じ。
グリッサンドみたいになってもいいので、2オクターブの速いリップスラーを行いました。
最近は3オクターブも練習中です。
これはまだちゃんとはできないけど一応形になってきた…ぐらいでしょうか。
あとは、高い音を出すアンブシュアで低い音まで出す練習は結構効果的でした。
上記のリップスラーをハイBから始めるような感じです。
最初にハイBのアンブシュアでスタートするので、最初はなかなか下の音が出ませんでした。
その辺の練習をやってると、上と下の音でアンブシュアが似てくるんですよね。
高音の練習をするときは、普段使うアンブシュアで高い音を出せるようにしていくのが普通だと思います。普段使うアンブシュアって自分が考える一番中央の音を基準に考えますが、音域が広がるにしたがって中央は変わっているはずなんですよね。
トランペットを始めたころは最低音E~上のFぐらいの幅が汎用音域と思います。ミドルFが中央で、そこから上下1オクターブぐらいになるので、ミドルFを基準にアンブシュアを作るのが基本だと思います。
例えば一日の初めに楽器を口につけて最初に吹く音。一番楽に吹ける音。これが基準のアンブシュアの音だと思います。
楽器が上達してくると、基準のアンブシュアは変えずに、上だけ伸ばしていくのが普通かなーと思います。4度だけ伸ばしてハイBまで出れば吹奏楽では十分でしょうか。
でもだんだんと上に音域が広がっていくなら、中央の基準となるアンブシュアも変わるはずですよね。
ハイFぐらいを目指すなら、チューニングのミドルBを中心に上下1オクターブ半という感じでしょうか。ミドルFを中心ととらえていては、ハイBより上は対応できないと思います。
また、ビッグバンドのリードトランペットの音域を考えると、上のFを中心に上下1オクターブ半ぐらいを目指したい。あんまり下の音使わないしね。
そう考えて、自然に吹ける中央の音がミドルB~上のFぐらいになるように意識しました。
例えば一日の最初の音で、脱力して上のF吹くとか。
そうしているうちに、少しアンブシュアやアパチュアがコンパクトになっていきました。
それでも低い音が出なくならないように、リップスラーで低い音までカバーできるように練習する、というような感じです。ビッグバンド以外では使う機会も多いので。
今では、昔の自分がミドルBを吹く感覚と、上のFを吹く感覚は近いような気がします。
とてもリラックスして出る。
よくよく考えると、結構すごいかも?
それに従って、昔のハイBを吹くぐらいの感覚で、今はハイFが吹けるようになりました。
「楽に出せる音域」というほどではないけど、「頑張ればいつでも当てられる音域」の最高音でもないぐらい。
ハイノートに対する考え方
トランペットのハイノートというのは、めっちゃ高揚感がありますよね。
トランペットプレイヤーならもちろん、楽器をやったことがない人でも、あの「キュイーン!」という音を聴くと興奮すると思います。
これがトロンボーンのハイノートではそこまで興奮しないし、もっと音が高いクラリネットやピッコロでも高揚感はない。
歌のハイトーンは人によっては近いものがあるでしょうか。
曲の盛り上がるところでオーディエンスを興奮のるつぼに巻き込むサウンド。
それがトランペットのハイトーン。
そして、プレイヤー目線で行くと、演奏が極端に困難であるということが、憧れになる要因だと思います。
ハイトーンを出せば誰もが興奮するはずなのに、限られた人しか使うことができない。
しかもそれは、いくら練習してもたどり着けない領域があったりする。
そういえば昔、フルート吹きの友達に「トランペットのハイベーって必殺技みたいな扱いだよね。フルートも必殺技ほしい。」って言われたことあります。
すげーわかる。
必殺技感。
トランペット奏者が高い音をうまく吹いた後のドヤ感が、必殺技感を増幅します。
とはいえ。
これだけ語れるぐらいに高い音が好きな俺ですが、実は高い音ばかり吹いている奴はダサいと思っています。
こう思う人は多いんじゃないでしょうか。
高い音をクールに使えるからカッコいいのであって、例えば音出しだけ高い音をロングトーンしてイキって、結果合奏の時にはバテて音が当たってないような輩とか、音楽性がいまいちな人たちは正直「うわぁ…」って思っています。
そういうのに限って音が汚かったりするしね。他の練習もちゃんとしとけよ、って感じ。
だから、人前で高い音はたくさん練習しない。やるときはこっそりが基本です。
でもちゃんと練習はする。
高い音吹けるひとって当たり前ですが、高い音いっぱい吹いてるんですよね。
逆に「高い音目指してるのに出ないんです…」って人は、あんまり高い音を出そうとチャレンジしてないように見える。
人前でイキって吹きまくってバテてるのは正直ダサいと思っちゃうけど、たくさん吹かないと出るようにはならないな、とも思います。
だから俺は、音出しの時には自分の最高音は毎回吹くことにしています。
でも一回だけ。やりすぎない。
中音域を中心に音を出して、ペダルトーンもハイトーンも吹く。自分の出せる限界まで。
どこまでどの程度スムーズに出るかを見て、今日の調子を判断する。
周りに人がいなくて調子がいい場合は、自分の出せる限界を超えられるかチャレンジする。
そんな感じでハイノート付き合っています。
惑わされすぎないこと。でも拒否しないこと。
マウスピース
余談ですが、普段使いのマウスピースとしては、下にあるものを使ってます。
ビッグバンド・バンド系 YAMAHA 14A4a
吹奏楽・アンサンブル・コンボジャズ Bach 5C
C管トランペット Bach 2C
ロータリートランペット YAMAHA 15E4
ハイノートの練習はビッグバンド向けにYAMAHA 14A4aを使うことが多かったです。
ですが、他のマウスピースで練習することもありました。
音域は基本的にマウスピースによらないと思っています。
マウスピースで変わるのは、音色と出しやすさだけ。
めっちゃ深いYAMAHA 15E4を挿したロータリートランペットだってダブルハイBはでるし、上記に書いてないJet Tone 10S(メチャ小径極浅)でももちろん吹けます。
マウスピースの大きさ、特にカップ容積は、そのマウスピースにとって「おいしい」音色がでる音域に影響を与えていると思っています。
Bach 5Cとかだと中音域(ミドルF~上のF)ぐらいまでがスイートスポットですが、High Fとかは少し音が細くなってしまう感じ。
逆にYAMAHA 14A4aは高音域(上のF~ハイF)ぐらいまでで太くきらびやかな音が出てくれますが、ロー B以下で音が薄くなってしまう感じ。
スイートスポットではない、つまりそのマウスピースにとってベストな音色で吹けないだけで、どのマウスピースでも音は出せるようにしておくことが俺は大事だと思っています。
だから、ハイノートを出せるようにするにあたって、マウスピースで解決しようとするのは全く考慮しませんでした。
ハイノートをもっと出したいと思ったときに、マウスピースを変えようとする人が多いとは思いますが、俺はその方法はお勧めできませんね。
手元に転がってたJet Tone 10Sを使うと確かに出しやすいとも思いましたが、全体のバランスに問題があるように感じましたし、使う気にはなりません。
ありゃファーガソンとかコピーするような、ハイトーンばっかりなときにしか使えん(笑)
にしてもYAMAHA 14A4aは中学2年生の時にヤフオクで3000円で買ったカスタムモデル。20年近く経っていまだに現役なのがすごい(笑)
ハイノートヒッターになった瞬間
練習を重ねて、だんだん高い音が出るようになっていって。
所属しているひとつのビッグバンドの本番が、2019年12月21日にありました。
今回はワンマンライブで15曲ぐらい。
最後の曲が「Love for Sale」という、バディ・リッチ楽団の曲でした。
記譜上のラストノートはハイEsのロングトーン。
コード的にダブルハイBもハマるので、練習の時に1度だけダブルハイBに上げて吹くのをトライして、少なくともフレーズで使えることを事前に確認してました。
2018年の後半ぐらいからビッグバンドでもリードトランペットを任され、それなりに吹き方を理解してきたのではないかと思います。
音を上げても、「高い音ばっかイキって吹いてるやつ」とは思われないだろう…
そんな考えもあって、基本的には楽譜に書かれたことをキチンとやって、音をやたらに上げないようにしていたんですが、最後の曲だし本番でも行けそうなら行っちゃえ、と心の中でこっそり思っていました。
プログラム全体もそれなりにハードな内容でしたが、意外と体力を残したまま最後の曲に。
この「Love for Sale」もなかなかエグめの曲で、「これが最後の曲かぁ…」って思うぐらいの大変さだったんですが、これも意外と省エネで吹けてる。
こりゃ行けるか…?と思い、ラストノート、エイヤ!とダブルハイB狙ったら、ちゃんとフォルテで伸ばせました。
この瞬間「ライブステージの最後の曲のラストノートでダブルハイBをフォルテでロングトーンできる人」になりました。
こんな感じ(笑)
もう、心の中でガッツポーズですよ。
吹き終わった後は少し頭の血管きれてそうだったけど。
吹き終わった後に、ラッパの隣の人が「エグい…」って絶句してたけど。
でもそれ誉め言葉です、ありがとう。
結局、1年半ぐらいで目標を達成できました。
大っぴらに「俺ハイノートヒッターだぜ!」なんて言う気はないけれど、少し自分に自信が持てた、そんな話。
しかし一流のハイノートヒッターはもっと出せると思うし、もっと余裕もってこの辺も吹けるようになりたい。
もちろん、ハイノート以外も練習することが山積みです。アドリブもまだまだ雑だし、オーケストラももっと表現の引き出し増やさないと。
これからもまだまだ精進していきます。
2019年から2020年へ
明けましておめでとうございます。
2020年になりました。
思い返すと、2019年はトランペットの年でした。
2017年末にネットでオーケストラとビッグバンドを見つけ、2018年に2つ楽団に入りました。オーケストラもビッグバンドも現在も継続していますが、2019年に団員から別の団体に誘われ、オーケストラとビッグバンドの両方とも、さらに所属団体が増えました。
お陰様で2019年は本番が13回。
割と忙しかったです。
1日に練習3つとか割とあったりして、午前、午後、夜と別団体をハシゴしたこともありました。
タクシーで新宿から早稲田まで移動したりして「こんなん売れっ子のプロみたい」と少しワクワクしたことも(笑)
まあとはいえ、出演費は基本払う側ですが。
エキストラってあんまり好きじゃないし、スケジュール的にも断ることが多いのでほとんどないのよね。
夏にはロータリートランペットも購入して、さらに楽器漬けに。
シャーゲルのロータリー、めっちゃ良いです。
結構吹いてるんですが、ピストンの音色にも少し幅が出てきてトランペット全体として上達した気がします。
そして2020年も引き続きトランペットの年になりそうです。
すでに10月までに本番が9回予定されてます。
楽器もまた買ってしまいそうだし。
いろんな人から認めてもらえて感謝の限りです。
人の輪も音楽の輪もどんどん広がっている感じがして、毎週末はとても成長を感じています。
しかしぶっちゃけ所属団体は少し整理したい(減らしたい)。
これ、去年も書いてますね(笑)
今8個ぐらい団体に所属してるんですよね。
年中通して活動するバンドはそう多くなく、年数回の本番に向けて練習するところが多いですが。
それでも常に3-4団体はアクティブな状態で、正直スケジュール調整がキツい。
もう少し余裕もったプライベートにしたい気持ちはあります。
でも、基本的に断る理由がなければ断らずにいたい気持ちもあるんですよね。
今は「〇月〇日に本番あって出てほしいんだけど、空いてない?」って聞かれると、予定が空いてれば「練習日次第だけど出られるよ」って答えてます。
そうやっているうちに、どんどん休日が埋まっていき、何もない休日は月に1日あるかどうかぐらいになっちゃうんですよね。
スケジュールのコントロールは今年以降の課題とします。
今年もオーケストラがたくさん、ビッグバンドも海外遠征まであって充実した年になりそうです。
後ほど日記にも書く予定ですが、吹奏楽では新たな試みもできそうで、今年も音楽漬けの予定。
のこりの空いた時間にサバゲー、更に予定が空いていればロードバイク、という順番です。今は。
今年はどんな年になるか、今から楽しみです。
写真はサバゲー(笑)
こっちの話もどこかで書いておきたいな。
防音室のある生活
購入経緯
実はうちには防音室があります。
前から書こうと思っていたんですが、期せずして長期使用レビューになってしまいました。
結婚して一年ぐらいたった2016年頃、家の余っている一部屋に防音室を入れたいと考えるようになりました。
昔から防音室には憧れがあったんですよね。将来は自宅スタジオという名の地下防音室がある家に住むのが夢だった。
そこで防音室を検索すると、設置型のが100万円ぐらい。中古で60万。防音室施工のメーカーにも話を聞きに行きましたが、数百万とさらに高い。
そもそも賃貸マンションなんで、防音室施工を考えると家から買わないといけないんですけど(笑)
なので、ホームメーカーとか土地とかもめっちゃ調べましたがそれはまた別の話。
で、貧乏性あるあるとしては防音室の自作を考えました。
ネット上では結構作っている人いるんですよね。
合板とスポンジ、グラスウール等で防音壁を作って、隙間から音漏れしないようにウレタンフォームとかで隙間を埋める。
隙間ができやすい扉と、音が漏れないような換気システムに工夫が必要ですが、少し大掛かりな工作で何とかなるレベル。
価格も全部合わせて10万しないぐらい。
さあ、設計図でも引くか、と思い、製図について改めて勉強していましたが…
そのさなか、ヤフオクで良いのを見つけました。
ヤマハ アビテックスセフィーネ2 AMCB12C。1.2畳で中程度防音(Dr-35)のグレードです。
しかも、買ってあまり使用していないけれども、急な海外転勤のため急いで手放したい、とのことで好条件。
そしてなんと14万円!!
ちょいちょいヤフオクからはアビテックスは出品されているようで、それも人気のオークションでした。
かなりの入札争いがあり値段は上がりましたが、結局約23万円で落札することができました。
運搬・組み立て
運搬・設置費用は引っ越し屋とかYAMAHAに頼んでください、とのことだったので、見積もり
設置費が5万円!運搬込で10万円を超える値段。
高い!!
購入した防音室の外寸は1.4m四方、高さは2.3mの部屋です。
ですが、既に出品者は引っ越しに向けて解体・梱包を済ませているらしく、実際はたくさんの板材です。
そして出品者はうちから車で1時間以内のところに住んでいる。
ということで、自分で運ぶことにしました。
晴れの日に友達一人を雇い、ニッポンレンタカーで軽トラを借りて運搬開始です。
重い!!
バラバラになった板材とはいえ、一つ数十kgぐらいはありそうです。
パワーに自信のある二人で運ぶのがやっと。
特に金属製の扉のついた部分はマジで重くて、100kgちかくあったんじゃないでしょうか。
二人でも軽トラに積むのがギリギリでした。
ピッタリ軽トラサイズ。
で、とりあえず家まで運んだんですが、積み込んだ後に友達が「用事あるから~」と帰ってしまいました。
なので、積み下ろしは一人。
家は二階。
エレベーターには入らない。
ということで、一人で背負いながら運びました。
いやー、いけるもんですね。
階段2段ずつ持ち上げてはおろして休みながら、何とか家まで運べました。
扉のついた部分以外は。
扉のついた部分は、何とか軽トラから降ろすことができたんですが、潰されそうになって一度は死ぬかと思いました。
倒した時に下敷きにならなくてよかった…
妻が帰ってくるまで、とりあえず何とか駐車場の壁に立てかけておきました。
妻が帰って来てから梱包を解き、扉だけ外して別途運ぶことで、何とか二人でも運ぶことができました。
まともにやろうとしたら運搬に3人は必須かな、と思います。
組み立てはそんなに難しくないです。
説明書をちらっと見ながら作れます。
まずは床を設置して
壁を乗せていきます。
壁どうしも引掛けポイントがあるので、六角レンチで扉の鍵を閉めるようにロックできます。
妻に壁を支えてもらいながら、壁どうしをくっつけたら天井を乗せて完成です!
後は換気扇や電灯を取り付けますが、それもそんなに難しくない。
2-3時間ぐらいでできたかな?
部屋はだいぶ狭くなりました。
ちなみに防音室は多分全部で300kgぐらいです。床が抜けないか不安(笑)
うちは2階で下が駐車場なので、ある程度床は丈夫に作られてそうですが、家によっては難しいかもしれませんね。
とりあえず床はへこんだりしてはいなさそうです。
使用感
内寸は1.2m四方で、トランペット二重奏ができるサイズ感です。
弓があるヴァイオリンやトロンボーンは難しいですが、ギターや大体の管楽器は演奏可能です。
ちなみに早朝から深夜まで、いつでもトランペットを吹いてます。
防音室の外にいると、テレビぐらいの音量で聞こえる。うるさくないけど普通に聞こえるぐらい。
試しにベランダに出て窓を閉めたら、全くベランダからは聞こえなかった。隣の家はどうかわからないけど、3年間苦情はないので平気でしょう。
でも、テナーサックスを中で吹くと結構外に響きます。昼間以外は厳しいかも。
低音楽器は防音大変そうですね。テナーサックス以下の低音楽器は高防音グレード(Dr-40以上)が必要な気がします。
コスパについては、カラオケや外部で練習するのとどっちがいいかを考えました。
防音室20万円として、一回1時間カラオケやスタジオで500円練習するとして、400回分。
毎週末2回使うとして、年間100回。4年でトントン。
1人なら難しくても、妻もトランペットを吹くので2人ならいけそう。
なんなら使わなくなったら15万ぐらいで売れれば、コスパは抜群。
そして何より、外にあるとそんなに楽器吹かないけど、家ならいつでも練習できるのがもちろん最大のメリットかな。
うちはギターと電子ピアノもあるので、防音室と併せてローテして遊ぶことも多いですが、防音室の利用率が圧倒的に高いです。
朝、会社を出る前に15分遊ぶ。
夜、煮物を煮込んでいる最中に15分練習する。
飲み会から帰ってきて、少し遊んでから寝る。
休日は一日に10回ぐらい出入りを繰り返して、家事と楽器を交互にすることも。
もちろん、妻とトランペット2重奏もできる。
遊ぶことも多いですが、普通に譜読みや練習にも使えるので本当に助かっています。
防音室内では楽器スタンドに置いてあるので、入った瞬間に吹けるのも本当に便利。
新しい楽器を買うのもいいですが、練習できる環境に投資するのもとてもいいですね。
家にスペースあるよ、って人にお勧めです。
引っ越しが大変そうですが…(笑)
ロータリートランペット購入記3 ~開封・演奏編~
シリーズ最終回です!
いざ、開封の儀!
川崎で受取り、抱えて持って帰ってきました。
じゃん!
箱はSchagerl(シャーゲル)のロゴが書いてあります。
あれでも、よく見ると箱にMADE IN TAIWANって書いてある…?
よく見るとサックスの箱でした。
とりあえず送るために使っただけっぽいですね、ふう。
剥がし方雑か!
紛らわしいな!
さ、気を取り直していざ開封です。
プチプチに覆われていますね。
じゃじゃん!
付属品は楽器の袋とオイルと店のオリジナルクロス。
楽器の袋は柔らかめのビロード調で触ると気持ちいいです(笑)
オイルはヘットマンのリンケージオイル#11。
ローターオイルもいるはずなので、買い足さないと…
美しい…
ロータリートランペットってなんかこう、芸術品、って感じがありますね。
その中でもシャーゲルは特にきれい…
ん?わからない?
美しいのは良いんですが、トリガーが買った店のHPに載っていたものと全然違いました…
スライドトリガーがレバー式でなく、ボタン式になってました。
見積には1,3番連動とも書いてあったけど、これは3番のみスライドです。
この辺は買うときに写真とかを貰わなかったこっちのミスですかねー。
レバー式の方が好きなんですけどねー…ちょっと残念。
1,3番連動は正直どっちでもいいかな。
ストロークが短くなるのは良いけど、1番管動くと右手親指にあたって邪魔だし。
ま、どっちでもいいか!
…音さえ良ければ…な!
演奏してみる
結論から言えば、満足できる楽器でした。
これまでに吹いたやつとの比較だと、Kuhnだとベルリンモデルよりドレスデンモデルの方に近いけど、中高音域がこっちの方が華やかさがある感じがします。
C管に比べれば音は明るくないが、ふくよかさの中に明るさがあるサウンド。
ブリリアントという言葉がふさわしい。
でもオーバーラオホとかヴォトゥルーバに比べると、明るさの種類が違う感じです。
それらのウィーン系の楽器?は華やかな明るい音色(パリッとドライな感じさえある)なのに対して、こっちは全体的にしっとりとした中に艶感のある音色(ちょっと暗いとも言う)がでます。こんな音が欲しかったんです。
さらに日本で吹いたシャーゲルの(ヘビーではない)モデルよりは、いくぶんか音の深みがある感じがします。暗いっていうか、暖かみがあるという感じ…?
この辺は、試奏してないけどヘビーならこんな感じだといいな、っていう想定にばっちりでした!
よき!!
楽器は少し重いと思います。
ベルリンモデル特有の、バルブケーシングの両脇がモリッと膨らんだヘビーな仕様になってるんですね。
写真でわかりますかね?
さらにチューニングスライドもオクターブキーが3つも付いていて重めだし。
(管厚は0.5mmだったはずだけど、正直わからん…測れないけど0.45かもしれない…)
まあ全体的にちょっと重い気がする。
ただし、吹奏感はめちゃめちゃ軽い。めっちゃ吹きやすいです。
出てくる音とのギャップが凄いです。
軽く吹いているのに、音は深く鳴ってるっていうね。
これは想定外の嬉しい誤算ですね。
とはいえロータリーなだけあって、楽器に息を入れ込んでいくように吹くと太く鳴る感じがピストンのB管と違いますね。
奥で鳴らす感じというか、少し遠い場所にピークを持ってくるというか、楽器に息を満たすような感じというか。
ピストンだと鳴らしていくときは息を速くして音を遠くに飛ばしていくイメージなんですが、こっちはもっと空間を意識して包んでいくイメージですかね。
凄い言葉にしづらい感覚なんですが、この感覚を身につけて慣れていく必要があるな、と感じました。
あ、あとロータリーワークは今まで試した中で一番軽いです!
ロータリートランペットというとロータリーの動きがピストンに比べて重くて(特に戻りが遅くて)、速指が苦手な印象を持ってたけど、逆です。
ピストンに比べてストロークが短く、なおかつ切り替わりがはっきりとしているため、動きが速くなってもかなりカッチリとしたスラーの音移動が可能です。少し慣れればピストンより指回りそう。
これも想定外、結構衝撃でした。
一時期からシャーゲルはロータリー部分を自前で製造することにしたようで、それは賛否両論あったみたいですが、少なくとも運指は軽くなったそうです。あとは長期使ってみてどうかってところですかね。
追記
やっぱり思ったより音が暗くないので、楽器屋に改めて「これって0.5って送ってきたけど、0.45じゃない?もっかい確認してみて…」と聞いたところ、「ごめんごめん、0.45だったわ!でも値段同じだから大丈夫だよ!」って返事来ました。
いやそういう問題じゃないんだけどな…
音が暗いと感じるのは、きっと試奏したのがC管で、こっちがB管だからだと思います。
今となっては0.5だと暗すぎたんじゃないかと思っています。
ブリリアントな音も出せて、明るめの曲でもこれで行けるので、結果よかったかも。
キイがたくさんついたチューニングスライドも買ったけど
前回の記事で書いた通り、「extra water key」がついたチューニング管いる?と聞かれて二つ返事で購入することにしました。
片方はいわゆるつば抜き「ウォーターキイ」のみ、もう片方はそれが合計で3つついてます。
これはピストンのトランペットにはない機構ですね。
なぜ買ったかというと、安かったから以前チューニング管を変えて試奏する機会があり、チューニング管で音色に大きな変化があり、「extra water key」がついたチューニング管の方が好みだったからです。
つば抜きのみのシンプルなモデルでは、音抜けの良い明るいサウンドだったのに対して、3つキイがついているものは音に深みがある音色になりました。
恐らくはその重量の違いによる響きの変化が大きかろうとは思うのですが、深い音色の方が出る思いチューニング管の方が好みでした。
してこの「extra water key」ですが、オクターブキイまたはレジスターキイと呼ばれる場合があるようです。
本来は高い音を出すときの補助として使われるもので、一般的にはつば抜きがB♭キー、隣にあるのがAキー、一番上のがHiCキーと呼ばれています。もう一つ、更に隣にHキーなるものが着く場合がありますが、今回の楽器にはついていません。
B♭キーはいわゆるシ♭が当たりやすくなり、HiCキーはいわゆる上のド(B管ならハイベー、C管ならハイツェー)が当たりやすくなり、Aキーはいわゆるラの音が当たりやすくなる、との認識でいます。
とりあえずここから先は今回購入したB管の話で、キイ名は変えませんが、音はドイツ音名実音表記で書きますね。
C管なら一音上の話になります。
某日本のロータリートランペット屋さんにはオクターブキーの運指表があり、それによると下記の運指になるそう。
B♭キー:As(五線上第2間)、Hi-C
Cキー:Ges(五線上第1線)、Hi-B
Aキー:G(五線上第1線)、Hi-H
俺が買ったSchagerlのページにも書いてあります。
http://news.schagerl.com/kategorie/artikelprospekte/info_extrakeys_2013.pdf
これによれば、B♭キーはウォーターキイとも、Cキーはウィーンキーともいうみたいですね。あとはドイツ語だとクラッペンともいうみたいです。
当たり前ですけど、オクターブキーのみではその音は出ません。
普通の運指に加えてオクターブキーを押すことで効果があるとのこと。
パッと見で思うのは、音列が運指と関係あるのかな、ってところです。
つまり、B♭キーは1番管使用時、Aキーは1・2番管(3番管)使用時、Cキーは2・3番使用時のキーかなと思うわけです。
吹いた感じですが、特にAキーでG(3番管使用)を吹いたときと、CキーでGesを吹いたときに効果を顕著に感じました。
特にこの辺の音域で管長が長くなるGやGesの場合、抵抗が増えてアタックがクリアになりにくい(雑音が入りやすい)と感じているんですよね。ひいてはそれが外れやすさに繋がってるという感じ。
それがこのオクターブキーを使うと、非常に抵抗が少なくなってすんなりと鳴る感じになります。まるで開放運指で吹いているかのような吹きやすさで、アタックに雑音が入りにくくなります。まあ外しにくくもなってる…かも?
あとは音程が少し上がるため、音程がぶら下がる心配がなくなります。この辺は低めに出ちゃったときに上に補正するのが大変なんで、これも楽に吹ける要因ですね。
B♭キーのAs、Hi-Cについては、もともと管長がそれほど長くないので雑音が入りやすい音とは思ってません。どちらかというと、音のツボが広くなって他の倍音に行きにくく鳴る感じ。1番で出るFis、Hi-B、Hi-Dのツボは狭くなって、代わりにAs、Hi-C、Hi-Esのツボが広がる感じです。面白い。
でも一番メインっぽい、CキーでのHi-Bはよくわかりません(笑)
2,3番で取れば当たりやすくなるのかな?と思うけど、当然開放の方が吹きやすいし。
そもそもBだから開放での音程も悪くないし、外しやすい音でもないし…
Gesキーに名前を改めた方が良いのでは?
この辺は今度まわりの人に聞いてみようかな。
(追記)
しばらく練習してると、Hi-Bの当て方が分かってきました。思っていたところよりも下の方にツボがあったというか、オクターブキーない時よりも低めに(ちょっと違うんだけど)あてにいくと良く当たることが分かりました。やっぱ慣れが大事ですね。
マウスピースはどれがいいの?
マウスピース選びは難航しそう。
シャーゲルはYamaha・Bachシャンクなので、基本的にはピストン用と同じマウスピースが使えます。
逆に一般的にロータリー用と呼ばれるブレゼルマイヤーやシュミットなんかはシャンクが合わないのでしょうか。
手持ちのマウスピースでいろいろ試しているところです。
まずはロータリー用として買ったYamahaの15E4で演奏。
深いマウスピースに独特のコツがいりますが、中低音域はさすがの重厚感でなってくれます。
でも特に上のF以上ぐらいの中高音域になると、音の芯がボケてきてきれいに響かない感じがある。
まえRicco Kuhnを吹いていた時はこんなことはなかったんですが…
Kuhnの時は15E4がベストだと思ったけど、こっちはそうでもないかも…?
ということで、ピストン用の手持ちから色々と比較。
Bachの2Cだと音が明るすぎて薄くなり、ロータリーのキャラクターが薄れる。
でもティルツの1-1/2Cの方は音がそこそこあってる感じがする…?
片っ端から試すと、意外や意外。Bachの5C、7Cの相性が良い。
中低音域のふくよかさはYAMAHA15E4、いわゆるロータリー用のマウスピースを使ったときと比べると薄いんですが、ロータリー用マウスピースではボケがちだった高音域でもロータリーらしい音色がでます。中高音域はピッと吹けば明るめ華やかな音が出るし、太く吹けば柔らかい音も出せて、この辺の音域の音色の選択肢が広いと感じます。
オーケストラのトゥッティでffで鳴らしていくときに表現できる幅が広い、ってのは楽器としてかなりレベルが高いところにありますねー。
それに特に5Cはピストン用として慣れたマウスピースなので吹奏感はもちろん良いです。加えてリムが小さいので持久性も非常に優れていていいと思います。
ちなみにどのマウスピースでも音程は非常に良かったです。
ツボが吹きなれたピストンと違うので、少し音程が崩れることもありますが、楽器が鳴るポイントでロングトーンした場合はおおむね合格範囲。
下のCが3番管抜かないと高かったり、上のDがぶら下がり気味になるのはまあピストンでもままあることですし、一般的なB管という感じ。
にしても、5Cの何が良かったんだろう…?
普通はロータリーはリムが大きい方がいい、とかカップが深い方がいい、とかスロートやバックボアが太い方がいい、なんて言いますが、Bachの5Cはどれからも結構外れているにも関わらず、相性がいいと思いました。
もう少し暖かい(暗い)音色に寄せた方がよりロータリーらしくなる気もするんですが、どこを変えればよいのかが見当ついてません。
やっぱり俺は3Cから5Cぐらいの中庸な(大きくない)リム径が向いてるのかと最近は思ってるわけですが、ロータリー用だとこの辺のマウスピースの選択肢が少ないんですよね。
そもそもブレゼルマイヤーもシュミットも良く知らんから、あるのかどうかも良くわからないけど…
あとはシルキーMOSTの3,4番とか?
JKとかBachのカスタムも選択肢に入るかな…
とりあえずBachの5番系統(5A、5B、5MV、5V)あたりで比較検証してみようかな。
リム径はあんまり大きくせずにロータリーらしさを少し増せるといいな。
ゆっくり付き合って、ベストな音を探していきます。
とりあえず5Cで慣らしてみよう。
全然一般的じゃない気がするので、型番だけ言うと否定派多そうだけど。
(追記)
数週間吹いてみて、5Cも相変わらず悪くないんですが、15E4でもツボが分かってきました。
やっぱりピストンで15E4を吹いているときとは全然違う、 楽器に「合っている」感じがあります。
5Cはロータリーでもピストンに近いところに音のツボがあるんですが、15E4だとツボの位置が全然違う。とはいえ、5Cで一度慣れると楽器のクセもわかってくるもので、15E4に変えても楽器のクセを折り込んで考えられるようになるため、数日間吹くとポイントが分かってきます。うまく言語化できないのが悔しいところですが。
15E4は確かに深いマウスピースですが、思ったほど暗い音にはならないことが分かりました。どちらかというと、太い音という感じですかね。中低音部では暗く深い音も出せますが、明るいバリッとした音も出せます。5Cではこうはいかず、暗い音が出せません。
15E4は当然リム径は5Cより大きい(2C相当らしい)のもあって、5Cよりは持久力に問題があります。今度吹くチャイコの悲愴を吹ききるのがギリギリかなーという感じです。3楽章が大変なのよね、あれ。5Cなら問題ないんですが、15E4だとちょっと大変。もう少し慣れれば余裕持って吹けそうかな。
トランペットは楽器の持ち替えに際して、同じマウスピースが使えることを重視したり、近しいマウスピースを使いたがる人が多い印象にありますが、俺はどちらかというと、楽器が変わるとマウスピースもガラッと変わって欲しい派です。
逆にマウスピースが同じまま別のことを吹こうとすると、中途半端になっちゃう感じというか。
ま、吹ければ正直なんでもいいんだけど(笑)
かぞくが増えたよ!
これからたくさん吹いて、自分の一部になるように付き合っていきたいと思います。
シャーゲルさん、これからよろしくね!
それと今回初めてトランペットを個人輸入しました。
リスクもありますがロータリートランペットは海外ではびっくりするぐらい安いのでお勧めです。
特にB管ロータリーの購入を考えている方はぜひ検討してみては。