隆の導火線

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ほとんどトランペットかロードバイク、料理の話。

C管トランペット購入記

とうとう買ってしまいました。

C管トランペット。

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Bach C180L 239/25C GPです。一緒に写っているのは、普段使っているB管、Bach 180ML SPです。

バックの中でも(たぶん)一番標準的なモデルで、239ベルのゴールドプレートモデルを購入しました。

 

バックのトランペットは値上がりが凄まじく、18年前に初めて購入したストラッドの180MLなんかは倍近い値段になっています。

それに加えて、金メッキのお高いモデル…

久しぶりの大きな買い物に震えました。

 

さて、今回C管を購入したのは、もちろんオーケストラのためです。

大学4年に一度オケをやってから、またやりたいと思っていたのですが、最近ようやくその機会に恵まれ初めまして。

ずっと吹奏楽畑にいると、オケはオケの人脈で人を集めてしまうので中々オケに参加できないんですよね。

この前行ったオケは、室内楽サークルが立ち上げた楽団だったので、弦楽器と木管楽器(ホルンも)はいるけれど、金管が足りてない楽団でした。

めずらしくトランペットの枠が空いている楽団だったので、参加することができました。

そこで知り合った人からも、別のオケに呼んでもらえそうなので、これからはオケもしっかりやれるかな、と思っています。

 

閑話休題

 

でもって、オケでトランペットを吹く場合、多くの場合でC管トランペットを演奏します。

楽譜が吹奏楽と違ってB管向けに書かれていないので、読み替えが楽になる、とも言われています。

俺はB管で吹いていて、そんなにそこは重要な要素とは思いませんでしたが、C管は欲しいと思いました。

 

それは、「音色」と「セクションの音程」です。

 

C管の方が、明るい音色と一般には言われています。

吹いてみると実際に明るく、良く通る音だと感じます。全体とのブレンド、というよりも、一歩前に出られる音。

この、一歩前に出る、というのがとても重要だと思っています。

 

オーケストラのトランペットは、ダイナミックでドラマティックな演出によく使われると思っています。

クライマックスの盛り上がったところとか。

そういう、他の楽器もしっかり鳴らしているところで、弦楽器セクションの後ろから埋もれずに音を飛ばす必要があると感じました。

これは、きっと思い描くC管で吹いたら効果的だろうな、と。

 

音程については、オケの他の人がC管を使っていて自分がB管だと感じるところです。

例えば基本的にトランペットはミの音が低くなるんですが、低くなるのはB管だと実音D、C管だと実音Eになるんですね。これが違う楽器を使っていると、音程のクセが違うのでピッチを合わせづらい。

C管がスタンダードだし、揃えた方がいいな、と感じてました。

 

というわけで、C管探し。

ここ半年ほど、どんなモデルがいいかをずっと探し続けていました。楽器屋を見に行っては試奏を繰り返し、先日ようやく「これだ!」と思える楽器に出会ったので購入しました。

楽器屋は下倉楽器(お茶の水)、トランペットステーション(渋谷)、ウインドクルー(新大久保)あたりを中心に、お茶の水や新大久保では周辺の他の楽器屋でもとにかく吹いてみる、という感じで回っていました。

 

購入したモデルのレビューと、他に検討したモデルの中で記憶に良く残っているもののレビューを残しておこうと思います。

基本的に使用したマウスピースはBach 2C。一応吹奏楽でメインで使用している、Bach 5Cも持っていき、それでも試奏しています。

試奏のポイントは、見た目、持った時の重さ、ピストンの軽さ、抜き差し管の動き、中音域のmf音色、高音域のff音色、ファンファーレを意識した強いアタック時の反応、最大音量での音色、音域を広く振った時のリップスラー等コントロールのしやすさ、どれだけ暗い音色を作れるか、ppp演奏時の楽器の反応、HiC以上の高音域の音色と出しやすさ、上のE・Esの開放・替え指でのピッチあたりなんかを見ているつもりです。

 

Bach 180L 229/25H SP

通称「ハーセス管」。シカゴ響の故アドルフ・ハーセス氏がかつて使っていたモデルとして有名で、多くの人が憧れをもって買う、C管の2台定番モデルの一つです。これと239/25Cのどちらか、という感じですが、後述するように239ベルは全然在庫が見つからなかったので、229/25Hの方が定番なのかも?ハーセス氏は俺の最も好きなトランペット奏者の一人なので、やはり憧れもあり、真っ先に試奏しました。

昔バックのメガトーンを吹いた時のように、息が取られる感じがしました。Lボアだからなのか…?25Hマウスパイプが太いからなのか…?音色は中音域ではかなり明るくなると感じますが、特に上のG以上をフォルテで鳴らしていったときに、音が開いていってペラペラになってしまいました。もともと俺がB管でかなり明るい音作りをしているためか、明るくなりすぎてしまった、という印象です。息の取られ方も相まって、コントロールしきれない楽器だと思いました。

一方でゴールドブラスベルなら音が少し暗くなってフォーカスする感じになるかと思い試奏すると、まあ期待通り音が少しまとまる感じがありました。しかしやはり息がよう抜かれ、コントロールが難しい。Gより下の音ではかなりバックらしいリッチなサウンドも作ることができるとは感じました。しかしやはり気を抜くと音が開く…。

 

Bach C180SL229PC

通称フィラデルフィアモデル。昔のバックの復刻版とのことですが、いかに。

上記のハーセス管とかなり近いフィーリングです。実際設計が近い。息はやはり取られる感じだけど、ハーセス管に比べればマイルドに感じました。こちらの方が音が開きにくく、コントロールしやすいのではと感じましたが、これはモデルの差か個体差かわからない…。そして合わせて、楽器の鳴りも大人しくなっている感じがしました。ちょっと鳴りが物足りないかな、という印象です。しかし、そのわりにB管と比べるとどうにも息が取られる感じは否めず、購入は見送り。

この辺で、BachのC管はあんまり良くないんじゃないかと思い始めます。HPを見る限りでは、世界のトッププロはYamahaの方が多いのかな?という印象があり、加えてシカゴモデルが評判良さそうなので、C管はやっぱりYamahaだ!という気持ちになり、ここからYamahaにフォーカスして楽器を探し始めました。

 

Yamaha YTR9445CHS

Yamahaのシカゴ響モデル。オールドBachのコピーをベースに、現シカゴ響ハグストロム氏監修で改良したモデル、ということでしょうか。やはりC管はこれが一番メジャーなんですかね?とにかくYamahaが推してるモデルだと思います。吹いた感じでは、フィーリングはハーセス管に近いですが、息が取られ過ぎる感じが少なく、比較的吹きやすいと感じます。音が割れる感じもあまりなく、コントロールは悪くない。Yamahaにしてはそこそこしっかりとした抵抗感があるのもいいと思います。普通のXenoよりも少し抵抗感があり、割といい感じ。BachよりやっぱYamahaか…とここで改めて思いますが、サウンドはYamahaらしいな、と感じます。Bachよりもアクが少なく、クリアーな音色。Bachが豚骨ラーメンなら、Yamahaは伝統的な醤油ラーメンといったところ。ここは好みですね。

定番モデルっぽいですし、このモデルで数用意してもらって選定しようかな?という気になる。ただ、YamahaもC管モデルが意外と多いので、他も吹いてみることにしました。

 

Yamaha YTR8445WS

通称神代(くましろ)モデル。ロータリートランペットに近いベルを使っているのが特徴の楽器です。吹くと真っ先に感じる、ふくよかな中低音。Cより下ぐらいの中音域では、ロータリートランペットを思わせるような、ちょっとフリューゲル入ってるような、温かい音がします。これは吹いていて気持ちいですね。G以上の高音域に入っても、そんなに角が立たない音色で、非常に豊かに響いてくれるな、と感じました。素晴らしい楽器だと思いましたが、ロータリー的な音が出るトランペット、という意味では「だったらロータリー吹けばよくね…?」とも思います。まあそもそも、俺のC管を買うモチベーションが「後ろから埋もれずに音を飛ばす音色」なので、そこは少しコンセプト違いかな、ということで見送り。オケの2番を吹く人とか、周りもピストンだけどロータリー的な音が欲しい、という人にはいいんじゃないかと思いました。

 

Yamaha YTR8445KMV

現在は生産が終了している、神代モデルの旧型です。第1世代だったか第2世代だったか。現行のWSとは全然違うと感じました。楽器の方向性は同じなんですが、KMVの方が普通のC管に近い。WSのサウンドがピストンとロータリーのハーフなら、こっちはクオーターという感じ。音もこっちのほうが良く通るので、C管の音が通る感じと、中音域の豊かであったかい吹き心地が、かなり魅力的と感じます。ぜんぜん雰囲気は違いますが、Yamahaのシカゴ響モデルといい勝負だと感じました。音のハリを取るか、ふくよかな豊かさを取るか…。悩みますね。

 

Yamaha YTR9445NYS(-YM)

Yamahaのシカゴモデルと双璧をなす、ニューヨークモデルです。見た目は同じ。何が違うのかはわかりませんが、シカゴモデルと比較して、音が大人しい気がします。ちょっとタイトな吹き心地は、管が少し細かったりするんでしょうか。パンパン明るく鳴らすならシカゴ、明るさの中にしっかりさが欲しければニューヨーク、という感じでしょうか。トランペットのトップを吹くならやっぱりシカゴかな、でも自分は元が明るめだからニューヨークもいいかな、風変りだけど神代モデルも捨てがたい、という感じ。

…でしたが、次に吹いたYMベルのモデルが良かった。吹いた感じで言うと「これはいい楽器ですね…!」。ニューヨークモデルのベルが違うモデルらしく、現行ボストン響のトランペットセクションが使用しているモデルでもあります。何が違うかというと、音がよくまとまり、前に飛んでいく感じがする。シカゴほど明るすぎないのに、シカゴみたいに音が飛んでいく感じ。結構理想に近いと思いました。Yamahaで買うならYTR9445NYS-YMかなー、と結論付けたところで、後述のBachとの出会い。

 

Bach 180L 239/25C

C管の標準モデル?だと思うけど、全然楽器屋でお目にかかれていませんでした。見るのはハーセス管ばかり。そんな中で、初めて見つけたのがゴールドプレート。吹いた瞬間「ああ、Bachのいい音がする」と感じました。これまでたくさん吹いてきたYamahaとは全然違いますね。ぎゅっと詰まった密で豊かなサウンドで、B管よりも明るい音が出ます。自分が持っているB管にフィーリングが近く、持ち替えがしやすいのもいいと思います。慣れた楽器に近いからいいサウンドで吹けるのかな?とも思いますが、そこはよくわかりません。店員さんに聞くとただでさえ入荷量の少ないC管で、しかもゴールドプレートとなるとほとんど店頭に並ばないんじゃないかと言ってました。一期一会感が強くなって、さらに食指が反応してきます。しかし本当に良く鳴る楽器です。もっとも素晴らしいところは、ffやfffでパワフルに息を吹き込んでいったときに、音が割れず、開かず、どんどんリッチになっていくところです。これは金メッキの効果でしょうか。交響曲最終楽章クライマックスで、オーケストラを効果的に盛り上げられるイメージが湧く音が出てくれる、と感じます。個体も結構いいのにであったんじゃないか?と感じますが、他を知らないのでそこは気になるが気にしないことにして。ネックはやはりお値段…それでもシルキーのSPに比べて安い方ですが、高い買い物だし悩む…。1時間ぐらい楽器屋でウンウンと悩んだ結果、思い切って買ってしまいました。

 

 これから

その他、シルキーやストンビも吹いたし、変わったモデルも吹きましたが、どれもピンとこず。最終的には、YTR8445KMVのGP、YTR-9445NYS-YMが候補として残っていましたが、やはりBachの音が好みだった。よく聞く話だが「Yamahaは総じて優秀だが、素晴らしいBachに勝るものはない」はその通りだと思う。やっぱり楽器は出会いだな、うん。

 

これから、C管もたくさん練習して、秋のオーケストラまでにしっかり慣れておこうと思います。

しかしC管ってどうやって基礎練習するのがいいのかな。まあとりあえずは、オーケストラスタディ中心にさらってみますかね。